配管工物語
水道管が水漏れした家主が、水漏れを直す為に、急いで配管工を呼びました。
すぐに配管工がやってきました。
配管工は、家主から事情を詳しく聞くと、早速工事に取りかかりました。
そして、たった5分で工事は終了。
水漏れは見事に直りました。
その配管工は家主に請求書を提出します。
その請求書を見た家主は、血相を変えて怒り始めました。
たった5分の作業にも関わらず請求書には”200ドル”と書かれていたからです。
「ふざけるんじゃない!あんたはここにたった5分だけいて、レンチで配管を叩いただけじゃないか!それなのに、なんでこんなに高い金を払わなくちゃいけないんだ!?請求書の明細を見せてくれ!」
それを聞いた配管工は30秒足らずで、明細を書き上げ、明細を家主に見せます。
その明細を書いた紙には、こう書かれていました。
『基本料金9ドル。レンチによる配管の叩き代1ドル。叩く場所の把握190ドル。』
この話をどこかで聞いた事のある方もいると思います。
サービスの対価というものが「作業者の作業」ではなく「お客様に与える価値」に対して設定されるべきもの、と暗示するちょっと知られた説話になります。
VBAやRPAをやらない理由
エクセル関数だけで色々やってると、こんなことも言われます。
「こんな簡単なエクセル関数なんて、新卒の学生だってできるじゃないか!」
正直な所、VBAやRPAを使ったり複雑なプログラムを使った方が、周囲から尊敬されたり、興味を持ってもらったりするかもしれません。
しかし、私は断じて使いません。
複雑になってしまっている業務や、うまく機能していない仕組みを解きほぐし、簡単で分かりやすい仕組みとして再構成する事こそが仕事においては何より重要だと私は思います。
一般普及率の低いVBAやRPAはむしろ排除するか、最小限に食い止めるべき対象であり、自分の利益のためにそれを使うのは本末転倒なのです。
配管工が水道管の修理をするのに、お客さんからのウケを良くするために5分で終わる筈の作業を5時間かけてやったり、わざわざ定期的に専門家のメンテナンスが必要な清浄マシンを押し売りしてきたら、誰だって頭にきますし、何より不誠実ですよね。。
(注:VBAやRPAをを批判しているわけではなく、あくまで私のポリシーの話なので、関係者は悪しからずご了解下さい)
私は他の人にはできない難しい事をするのが必ずしも良いサービスとは考えません。
むしろ、「一部の人にしかできない」「難しい」仕事をどうやったら「多くの人が」「効率的に」できるのかを必死に考える事が、最も重要な仕事だと思っています。