企業分析アナトールの株式投資

企業分析の「正しい答え」を教えるブログではなく、「答えを探して藻掻く姿」を見せるブログ

【挑戦に関する考察:その3】大企業で挑戦が困難な理由

 前回までは挑戦というものを「起業」という観点から考察しました。

【挑戦に関する考察】シリーズ最後に、大企業においての挑戦について考えてみたいと思います。

 

大企業病という言葉をご存知でしょうか。

(以下Wikipediaより抜粋)

大企業病(だいきぎょうびょう)とは、主に大企業で見られる非効率的な企業体質のことである。 組織が大きくなることにより経営者と従業員の意思疎通が不十分となり、結果として、組織内部に官僚主義セクショナリズム、事なかれ主義、縦割り主義などが蔓延し、組織の非活性をもたらす。

 

別に中小企業でも、長く業務を続けていればよくある話だと思いますが、このブログの主張は主にこういった問題をEXCELで解決しませんか~というものです。

 

で、内部からこういった問題を見てきた身としては、こういう問題が発生する理由の一つに、企業の挑戦の仕方に問題があるように思えるのです。

 

どんな会社にもあらゆる事に挑戦的な若い時期があるものだと思います。

 

社員A「課長、こういう事を推し進めてはどうでしょうか?きっと上手くいくと思うんです」

課長「そうだね、良さそうだ、どんどんやってみたまえ」

社員A「ありがとうございます!がんばります!」

 

会社が成長し続け、社員にやる気に満ち溢れている時期です。

 

しかし、時は流れ、プロジェクトの明暗がはっきりしてきます。

ただでさえ新しいプロジェクトは頓挫する可能性が高いです

それまでに無かった新しいものを作るのですから、頓挫するのは当たり前です

そして、頓挫したプロジェクトは「経験」という名の苦い記憶となって会社の中に積もってきます。

そのうちに記憶力の良い人がこんな事を言い始めます。

社員B「それ、過去にこういう失敗ケースがあるよね。それと何が違うの?」

社員C「いえ、こことここが違いまして、こういうメリットがあります・・・」

社員B「いやだから、それで失敗したんじゃん。同じ挑戦するのは無駄でしょう」

社員C「・・・」

失敗した経験が多くなればなるだけ、組織というものは慎重になります。

そして、いつしか過去の失敗の経験則を元に、始めてもいないうちから、効率化という名のプロジェクトのあら捜しが始まります。あら捜しが始まった企業はどうなるでしょう。

 

段階①「やるべき改革」ではなく「できそうな改革」しか実施されなくなる。

企画段階のあら捜しを突破するには、周囲を納得させる必要があります。

しかし、旧来のやり方は何らかの理由があって存在しているわけで、現在組織に在籍している人間のほとんどはそれを捨て去る事を良しとしません。

つまり、過去のやり方を否定しない改革が「できそうな改革」になります。

それはもはや名ばかりの「改革」となり、成果など出るはずがありません。

 

段階②自身の発言力を強くするために、権力を欲する人が増える。

何人かの人は「この環境下で特筆すべき成果をあげるには、企画段階であら探しをさせてはならない、周囲をイエスマンで固める必要がある」と気づきます。イエスマンを増やすには、権力が必要です。自分の意思に従わない人間を外に出し、自分の仲間を増やして、あら捜ししない人材を集めてイエスマンの組織を作ります。

そして横並びの状態から、実際にこうして成果を出せた人間が、上からの受けが良く、認められてさらに上に行きます。

 

段階③権力を求める過程でできた組織が固定化する。

一度イエスマンで固められた組織はちょっとやそっとでは元には戻りません。彼らは上司のやり方を見て、ああ、ああすれば上に行けるのだ、と上の言葉に服従する事を学びます。その精神は官僚主義セクショナリズム、事なかれ主義、縦割り主義をはびこらせる結果になります。

 

段階④「やりたい事をやりたければ偉くなれ」ただし「やりたい事やるやつは偉くなれない」状態。

挑戦をするためには先ず偉くならなくてはならない。

→偉くなるにはイエスマンにならなくてはならない。

イエスマンが上に上がっても「改革」はできない。

 

段階⑤「改革の無い組織」OR「大きな改革しかしない組織」 

上に居る方が改革を一切良しとしないイエスマンであれば、その組織はずっと硬質化したままです。一方で何か改革をしようとしても、立場が重くなった今、小粒な改革にコツコツ挑戦している時間はありません。

そういう人がやりがちなのは、ドカンと高額でデカいシステム導入外注などを断行して、成果をアピールする事です。

それが、本当に効果的であれば全く問題ありません。しかし、それまで挑戦というものをしてこなかった人が、偉くなって突然効果的な改革ができるでしょうか。

勿論一部にはそういった事例もあるのかもしれませんが、それは大きな企業にとって極めてリスキーな賭けを繰り返すことになります。

 

では、この連鎖を解決するにはどうすれば良いのか

前回、前々回の話で考察した結論と同じです。

 

結論①「とにかく挑戦の数を増やす」

結論②「そのために小さく始める事を徹底する」

rootsbox.hateblo.jp

rootsbox.hateblo.jp

 

起業したばかりの会社でも、大手企業でも常に挑戦しなければ成長はあり得ません。

しかし、挑戦とは常にリスクを孕むものであり、失敗はつきものです。

よって、失敗を恐れるのではなく、失敗が前提として考え、取り組み自体を小さくすることで、仮に失敗しても大きな影響が出ない範囲に抑えるのです。

そして小さく成功したならば、他への展開を少しづつ進めていく。

小さな挑戦を繰り返し、最終的には大きな変化へと結びつける循環機能を完成させるのです。

 

私はその改革の初手として最も効果的なのが、EXCELの見直しだと考えています。

 

高額なグループウェアを導入する事が効果的なケースもあるかもしれません。

でもそれ、本当に費用対効果が実証されていますか?

でもそれ、EXCELではできないんですか?

でもそれ、本当に現場が求めているんですか?

でもそれ、導入のために現場が疲弊しませんか?

 

私は業務改善の第一歩は常に小さく基本EXCELから、であるべきと思います。

EXCELを直して成果が出たら、その実績を盾にどんどん進めれば良いのです。

EXCELでは解決できない課題が出てきたら、それを解決するシステムの導入を検討すれば良いのです。

いつでも初手はEXCELなのです。