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漫画解説
びふぉあ社長は、自社の社員が何をしているのか知りません。彼はクリエイティブなビジネスに興味はあるのですが、社員がやる雑務には一切関心を寄せない事で有名です。しかし、一方で勉強熱心なので、啓発本や経営書を読み、マネジメントにとって人材育成が最重要課題であるとも理解しています。その相反する思考がフュージョンした結果、社長はインスピレーションを元にあみだくじで成績を決めるという、「AMIDAメソッド」と呼ぶ手法を確立しました(特許出願中)。
びふぉあ社長はナンセンスの塊として描かれているので、「あはは、バッカでー」で流しても良いのですが、よくよく考えてみると馬鹿にできない部分もあります。
猿とウォール街のプロ
証券投資の世界には、一人の人間が適切な評価をし続ける事が如何に困難な事かを示す事例があります。
1970年代にプリンストン大学の教授であるバートン・マルキール氏が著書の『ウォール街のランダムウォーカー』の中で、ウォール街のプロが選んだ銘柄のポートフォリオと、猿がダーツを投げて選んだ銘柄で組んだポートフォリオと成果はほとんど変わらないと書いたのです。
当時、ウォール街のプロ達は、猿と同じ(もしくはそれ以下)と見做されたのですから当然怒り、問題になりました。ただ、現在では一般的にこの話は事実であると受け入れられつつあります。要は、どのようなファンドマネージャーであれ、自分の受け取る手数料を差し引いたとしても、長い目で見ると市場平均の成長以上の投資成果をあげていないという事が分かってきたのです。
(余談ですが、株式投資したいけど投資の勉強なんてしたくねえ、する暇ねえ、という方は、とにかく何も考えずにインデックスファンドというファンドを貯金代わりに定期購入しておけば、かなり儲かる可能性が高いです。これは世界で唯一(多分)長期で市場平均を上回っている人間、ウォーレン・バフェット氏も推奨している投資法です)
インデックス投資をある程度理解したい方は以下を参考に読まれると良いと思います。
転じて人事評価も・・・
話を戻します。この理屈を人事評価に転用するならば、どれだけ優れたマネジメントが居たとしても、長い目で見たら、「AMIDAメソッド」に敵わないかもしれない、という可能性も考えられます。(別にびふぉあ社長が猿だと言っているわけではありません。一応。)
そんな無茶な、株式投資と人事評価は同列に論じられるものではない、と思われるかもしれません。ただ、株式投資も人事評価も、対象が株式なのか人間なのかが違うだけで、その本質は同じです。短期的に見れば適正な評価ができるのかもしれませんが、長い目で見て、特定のマネージャーが正しい評価を下し続ける事は困難であり、結局適当に判断した結果と変わらなくなる(可能性がある)、という事です。
そうなれば猿・・・じゃなかったびふぉあ社長を笑ってはいられません。案外「AMIDAメソッド」は画期的な人事評価手法として認められる時が来るかもしれません。
びふぉあ株式会社に入社してしまった人へのオススメ記事
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