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漫画解説
あふたー株式会社の礎ともいえる360度評価法についての解説回です。未だ現実の企業にはほとんど導入されていない360度評価法ですが、具体的に考えていくといくつかの課題にぶつかります。マンガで描く以上は一つ一つ考えて潰していく必要があると思います。今回はその課題についてあふたー株式会社の裏設定をメモしていきます。
課題1:誰が誰を評価するのか。
360度評価法という発想は、特定の人間の視点からでは偏ってしまう評価を、複数の視点から見る事でより合理的にする、という考えから生まれています。しかし360度といっても接点のない社員について評価する事はできません。そこで、誰が誰を評価するのか、何らかの基準を決めて線引きをしなければなりません。
そこで、あふたー株式会社のルールとして以下の2点があります。
①人事評価委員会(注1)の指定した3名(注2)を評価しなければならない。
(注1)人事評価委員会は社長直轄の組織で、人事評価を公正に行うための組織です。
(注2)原則として上司、同僚、部下を評価します。
②①以外に、業務に関わると認められる3名を評価する事ができる。
社員は人事評価委員会に指名された3名を、会社の理念や行動指針に照らし、基準に則った評価を行います。一方で、指定されていない3名についても評価できる(強制ではない)事で、周囲の人間の評価に一定の影響力を持つ事ができます。勿論、業務上全く無関係な人間を評価する事はできないように、人事評価委員会が管理します。
課題2:どんな評価をするのか。
マンガ内でも話していますが、あふたー株式会社では能力点、組織点、人格点の3点で採点します。この採点方法を決めたのは以下の2つの要素からです。
①採点方法が複雑過ぎない事。
どれだけ精緻な分析ができるとしても、複雑すぎては社員がついてこれません。いかに評価が重要事項とはいえ、ほとんどの社員は本業の合間を縫って評価をしなければならないわけですから、採点方法が冗長であったり、理解し難くては、評価が形骸化する事は容易に予想できます。
②能力を性質に応じたものにする事。
一口に能力とは言っても、コミュニケーション能力、企画力、事務力、人間力など、様々な種類があります。その人を評価するには、単なる「能力」の一言で片づけでしまうと、ミスリードを生んでしまい、人材の配置を適切に行う事が困難です。例えば、事務処理能力を評価したために高評価を付ける場合もあるでしょう。しかし、事務処理能力は高くとも人を扱うのが不得意というケースもあります。そんな人を評価が高いという理由でマネジメントにした場合、本人も部下も不幸な人材配置になってしまいます。
この2つの要素を前提に条件を考えた結果、能力点、組織点、人格点を点数式で表す事が最もシンプルかつ的を射ているのではないかと考えました。
課題3:人によって評価基準がズレるのではないか。
この課題は例えば、周囲の人に平均して60点ほどしか与えない人と、80点与える人がいると、絶対値が変わってくるので、評価者によって不公正が出てくるのでは、という事です。この課題に関しては、評価者自身が評価した全員の平均点数に対してどれだけの評価を出しているか、つまり偏差値をベースにする事で、基準を合わせます。さらに集まってきた評価偏差値を分布図に起こし、異常値については一端除いて1次評価を出します。その上で人事評価委員会が評価者自身の組織点と人格点の1次評価を考慮したり、異常値について検証した上で、最終的な評価を決定します。
このような具合に、360度評価を考えると、他にもまだまだ課題は出てくると思いますが、とりあえずあふたー株式会社は上記のような仕組みで動いております。
漫画リンク
www.freelance-no-excelyasan.com