フリーランスのエクセル屋さん

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【正社員を雇うリスク】フリーランス登用のススメ

この記事は主に経営者など人事の裁量権を持つ方向けの記事になります。

私は今、大手企業で会社員しながら自分の会社を作ったりして、経営者と労働者という二つの側面から働く事について考えてます。

(そんな事を色々考えて表現したのが以下の漫画になります)

www.freelance-no-excelyasan.com

 

で、その中途半端な立場から考えた今日の記事の結論としては「これからの会社は、一定数フリーランスを抱える仕組みを持った方が良いのではないか」という主張になります。方法としては、まず、私が職場で出会った「え?」という正社員のエピソード説明をします。会社員していれば多分一人や二人はいるであろうあるある体験談です。そこから、その課題をフリーランスを抱えることでどう解決するのかを考えてみます。

ちなみに、私自身はフリーランスのエクセル屋さんを名乗ってますが、全然フリーランスとして活動できてませんので、別にフリーランスという立場を擁護する立場でもありませんし、擁護したところでメリットありません。その点、利益相反ポジショントークとかはないので、ご安心ください。

目次

ケース1:エクセルを使えない事務職

私が新人だった頃、本当に何もできない50代前後の先輩社員がいました。人柄は悪くないのですが、いかんせん本当に何もできない。というのも、その方は中途で入社したらしいのですが、前職は営業マンで事務方の経験はほとんど無かったそうな。なんでそんな方が事務方に?という気もしますが、どうも会社の立ち上げ当時の事で急激に人を採用した時の名残とか。イケイケの時期にはあるのかもしれない。。成長に任せて追加人員を採用したは良いが、仕事に見合った人材ではなかったというパターン。。即解雇などしたら、倫理的に問題になるし、採用したマネジメントの面目が立たないので、とりあえずしばらく様子を見てみるが、一向に改善されない。それはそうだ。若いころから営業マンとしてやってきてPCなどはほとんど触らずに来て、40~50で突然できる筈がない。その方自身の人柄は良いし、会社も成長しているので誰も悪役になることは望まず、そのまま放置されたらしい。

放置されるだけならまだよいのですが、その方に回った仕事が進まないと、新人の私にもお鉢が回ってくる。上司からその方の業務を手伝うように言われたので、その方と方針を話しているとエクセルの使い方もご存じない。

こ、これは・・・この方を入社2年程度の私に指導しろというお達し・・・?いや、ならもう私が自分でやった方が早くないか?と思い、エクセルの使い方を説明している途中にそれとなく、あの・・・私がやりましょうか?と聞いたところ、その方「あ、いいよ、やっちゃって」との事。いや「やっちゃって」じゃなくて。。さすがに自分より二回り以上年上の方に向かってダメ出しはできなかった。

結局、この方はしばらくして50前後で上から圧力をかけられて退職されたわけなんですが・・・これってこの方にとっては、非常に厳しいタイミングでの転職になりますし、会社側からしても新人より仕事ができてない方に新人の何倍もの報酬を与え続けてたわけでどっちも大損ですよね。。う~ん。。厳しい。

ケース2:夜行性社員

とある職場に一風変わった事務職の女性がいらしたのですが、この方一切昼に仕事をしない。昼は頻繁に化粧直しに行き、戻ってきたと思ったら自席で私用電話をしたりスマホゲームしている。私が初めてそれを見たときは、よっぽど仕事が無くて暇なのかな、と思ったがさにあらず。彼女は定時が過ぎると突然活動を開始する。え?何?何なの?仕事あったの?突然仕事きたの?

よくよく観察してみると昼に確かに仕事は積みあがっているのに、一切昼に仕事はしない主義らしい。会社はフレックス制を採用していたので、昼できないのであればゆっくり出社して残業抑制してくれても良いのに、出社時間は見事に定時通り遅刻なし。朝は眠いという理由で、仕事あるのに定時に来ない私とは実に対照的である(オイ)。

正直私は彼女の指導をする立場にはないので、「君子危うきに近寄らず」の精神に則り、ガン無視を決め込もうとしたが、そうは問屋が卸さなかった。仕事の性質上毎回ダブルチェックをかける必要のある仕事があって、彼女のチェックを私がしなければならないのだが、深夜21時くらいに書類の山として渡される。彼女は納期ぎりぎりまで引っ張る主義で、納期がその日までなので24時までかかってチェックする私。深夜残業が嵩むし目も霞む。

仕方なくある日少しづつでも昼にやってほしいという要望を出すと、「別の仕事を先にやればいいじゃん?」というお言葉。う~ん。それはそうだけどできれば納期が迫っている仕事からやりたいじゃん?21時からやるのは私もキツイんです。婉曲的にそんなことを言ったのですがメッチャキレられて「うるさいうるさいうるさい」と言われてダンマリを決め込まれた。結局、上司経由で色々説得の結果どうにか多少は早まったが、当然ながら私と彼女の間には、マリアナ海溝より深い溝ができた。仕事と私のメンタルに支障が出たのは言うまでもない。

経営者の立場からするとかなり怖い事実

一応断っておきますと、私はケースであげた方たちに対して、私的な悪感情は抱いてません。ケース1の方などは、退職された折は私的な送別の飲み会を催しました。ケース2の方とは正直関わりたくはない、とは思いますが、憎んだりといった気持ちはありません。多分その方なりの生き方なのだと思います。

ただ、私が経営者の立場だったら、自分の会社にこういった社員がいると分かったら冷静ではいられないと思うのです。こういった方が職場にいるのは、周囲から疎まれるという意味で本人のためにも決して良くないですし、職場の空気は悪くなるし(ケース2の場合、その方が理由で2人ほど辞めた)、会社は給与分の損失が膨らみます。経営者からすれば血を垂れ流しながら傷口が腐り始めているようなものです。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plainグロ怖っ

問題点の整理

こういった状況を生むのは以下の問題があると思われます。

  • 面接もしくはほんの数か月の様子見で本採用をしてしまう
  • 雇用した社員を評価する明確な基準がない(何をさせるのかが曖昧)
  • 一度雇用すると解雇が困難

これは正社員だけでなく、派遣社員でも同じで、やはり採用を簡単に決める割には世論への影響も考えると解雇は容易ではありません。大手企業などは特に、世間の評判を気にしますし、採用した人の見栄や政治力なども相まって、一度採用を決めると迅速な撤回は困難になります。ちなみにケース2の方はもともと派遣社員でしたが、周囲の誰一人として賛成していないにも関わらず採用担当の独断で正社員化しました。

処方箋としてのフリーランス

しかし、ここでもしフリーランスをうまく活用することができれば、状況は多少変わってくると思います。会社から依頼された幅広い業務をこなす必要のある正社員や、それに準ずる派遣社員と違い、フリーランスはある程度自身の得意分野を絞っており、できる範囲の仕事を請け負うのが原則です。したがい、依頼を出す会社側も依頼する内容を明確にする必要がありますが、それは同時にフリーランスの能力を評価する明確な指標ができるということです。これがダメならあれをやらせる、あれがダメでもそれをやらせる、といった会社が良い点を見つけようとするスタイルはフリーランスには必要ありません。この仕事をさせてダメなら契約解消、となり、会社側もフリーランス側も次に進むことができるのです。

ゼネラリストの社員とプロフェッショナルのフリーランス

働き方改革が叫ばれ、残業に対する引き締めが厳しくなった昨今、努力量よりも費用対効果が重視される世の中になってきています。そんな時代では能力のある人間ほど、効率的に自分の専門分野で働ける手法、つまりフリーランスで独立することになるでしょう。よって今後の会社組織で活躍する人材は、二極化するのではないかと私は思います。

  1. 各業務に落とし込み、それぞれの部分をプロに配分、評価する「社員」
  2. 自身の得意分野を持ち、複数会社で活躍する「フリーランス

この二つです。

今後自身の明確な得意分野を主張できる人材がフリーランスに流れれば、大手、中小に関わらず、フリーランスを活用するノウハウが無い会社は一般論を説くゼネラリストしかいなくなります。一般論しか語れない会社に大胆な決断はできませんし、動きも鈍重になります。そのような会社が今後も生き残っていけるでしょうか。

まとめ

さんざフリーランスの登用を勧めるようなことを書いてますが、全ての社員をフリーランスにするのは難しいと思います。会社のビジョンを業務に落とし込んでフリーランスを管理する人間は必ず必要です。

ただ、フリーランスを活用する制度の導入はどんな会社さんでもある程度視野に入れておくべきですし、人事に携わる人間なら、どんな人材がいるのか、フリーランス市場をウォッチしておいて損はない筈です。

現在は「High Class」さん(以下リンク)のようなフリーランスを仲介してくれる企業さんもドンドン出てきています。成果報酬型なので話を聞くのは無料。

事業者向けフリーランス人材の新しい採用支援サービス【High Class】

企業にとって人材の登用はまさに命運をかけた一大事である筈なのに、採用後に融通の利かない正社員を優先的に探し、フリーランスを見てないというのは、あまりにお粗末。経営者の方はせめて正社員、派遣社員と同じ程度には、どんな人材がフリーランスとして活躍しているのかをウォッチするべきではないでしょうか。