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マンガ記事㉚解雇~あふたー株式会社~

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 漫画解説~解雇について~
f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plainコロナショックによって、アメリカの失業保険 に7週間で3300万件超の申請があったそうです。

www3.nhk.or.jp

日本と違いアメリカでは解雇にそれほど抵抗の無い会社が多いので、問題が起こるとすぐに失業者が増える印象がありますね。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plainアメリカでは優秀な人ほど転職を繰り返すと言われるほど、一つの会社に囚われない文化が根付いていますからね。レイオフに日本ほどの抵抗は無く、またレイオフ後の転職も比較的容易にできるという側面があります。日本は昔から家族経営の延長という印象が強く、会社を辞める事を勘当や家出に重ねて、良くないように捉えてきた経緯があります。これはどちらが良いかというより、メンタリティの問題です。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plain日本人の私としては、解雇されるのに抵抗が無い、という感覚はあまり分からないですね。。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plain勿論、解雇自体は当人にしてみればとても不本意な事もあるでしょうし、世論的な反発はあるでしょう。ただ、アメリカはアジア圏ほどには愛社精神のような拘りは薄いように思います。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plainあふたー株式会社では解雇をどのように考えているんでしょう。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plainあふたー株式会社は、解雇を「冷酷ではなく厳格に執行する事」をモットーにしています。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plainどういう意味でしょう。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plainこれはビジョナリーカンパニー2という書籍の中の言葉を抜粋した言葉です。

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

 

この書籍の中で、解雇は「冷酷なルール」ではなく「厳格なルール」によって運用されるべきだ、とあります。端的に言えば、景気が悪くなったり会社の収益が落ち込んだという理由で社員を解雇するルールを「冷酷なルール」と呼び、いかなる状況においても変わらない評価方法に則り社員を解雇するルールを「厳格なルール」と呼びます。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plain「冷酷なルール」と「厳格なルール」・・・

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plain「冷酷なルール」とは、不景気になると業績のために社員を解雇する事です。これを適用する会社では、社員は不景気になる度に解雇される恐怖に怯える事になります。不景気になる度にレイオフしている会社はこのルールを適用しているといえます。勿論、業界によっては性質上仕方のない面もあります。特に浮き沈みの激しい業界では、解雇しなければ、会社の存続が危うい会社もあります。社員を守って会社が倒産すれば、結局職はなくなるのです。なので、「冷酷なルール」=ダメな会社とは言い切れません。とはいえ、「冷酷なルール」を敷くと、人は解雇を心配して成果よりも保身を重視するようになり、保守的になると言われます。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plain身の安全が分からないと仕事にも集中できないですものね。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plain一方で、「厳格なルール」では景気の動向や会社の状況には左右されない評価のルールを設け、評価に足りないものは好景気であっても、解雇するという態度を徹底します。その代わり、不景気であっても不当な解雇は絶対にしません。この信頼を守る事によって、社員は評価される実績をあげる事に集中できるのです。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plainでも、それって結構大変な事ですよね。切迫している状況でもない好景気で解雇するのは会社側にとってもかなり勇気が要ると思います。どうしたって当事者からは恨まれたり悔しい思いをするでしょうから、解雇を躊躇ってしまいそうです。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plainその通りです。人事とは他人の人生を左右しかねない仕事です。だからこそ景気の上下などによって決められてはならないし、まして誰かの一存などで決められてはならないのです。公開された「厳格なルール」に照らし、ルールに適合しない人は粛々と解雇しなければならない。私達人事評価委員会の使命は、「厳格なルール」を守ることにあるのです。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plainしかし、「厳格なルール」とは言っても、仕事によって出てくる成果は違いますよね。営業であれば売上で測れますけど、開発部門の人ととか、管理部門の人とか、それを評価しようとすると、基準がバラバラになって、部門間で格差が生じますし、管理も大変ではありませんか・・・あ・・・そうか。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plainそうです。だからこその360度評価なのです。一部の人の一存によって人事を左右されてはならないし、かといって定量的な評価をすれば部門間格差が生じてしまう。だからこそ、実際に現場の人間が理念を基準に同僚、上司、部下を評価し、会社の理念遂行に相応しい評価をする。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plainやはり最終的には、そこに繋がってくるのですね。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plainその通りです。360度評価はあふたーという組織の根幹であり、全てはそこから派生していると言っても過言ではありません。

 

原作者コメント

 

「ビジョナリー・カンパニー2」は一般的な会社から、傑出した会社に飛躍する方法について研究された本です。傑出した会社と一般的な会社で何が違うのかを調査した時、理由の一つに解雇の方法に明確な違いがある事が指摘されています。それを同書では「冷酷な解雇」と「厳格な解雇」という表現をします。一般的な会社では通常状態では解雇をせず、景気後退などが起こるとそれを理由に解雇しますが、傑出した会社では明確な一定のルールを設定し、それをどんな状況であれ厳格に適用するのです。

同書はまた、こうも指摘しています。(要約)「一般的な会社では、不適切な社員のモチベーション向上のために優秀なマネージャーの時間を浪費する。マネージャーは、様々な手法で不適切な社員のモチベーションをあげるために思考錯誤を繰り返し、結局は不可能という結論を出して解雇することになる・・・しかもこれは、会社にとっての損失に留まらず、不適切な社員にとっても、自身の輝ける場所を探す時間を浪費する事になる」

実に鋭い考察であると思います。私は会社員をやっていてこういう現場を目の当たりする事が良くありました。勿論、私自身が不適切な社員であると感じた事もあります。

あふたー株式会社では、「人の能力を最大限に引き出す」事を理念としているため、断固とした態度でこれを遂行しているのです。

 

漫画リンク

www.freelance-no-excelyasan.com