企業分析アナトールの株式投資

企業分析の「正しい答え」を教えるブログではなく、「答えを探して藻掻く姿」を見せるブログ

【投資のススメ】投資する人と投資しない人のメンタリティの決定的違い

プロフィールにもあるが、私は非公開会社や会社の新規設立に1,000万円以上つぎ込んで、回収できないでいる。先日、知人と話している時にその話になり、それを聞いた知人は驚愕していた。

知人だって今、年収にすれば500万~600万ほどをもらっているわけだから、コツコツ倹約して運用して増やしていれば、懐的には1,000万円くらいの投資はできなくはない筈だ。

注意:誤解されたくないが、私も妻子がいるので、給料から1,000万円をポンと出せるような身分ではない。会社員(年収400万~600万くらい)として独身時代から無駄遣いせずにコツコツ貯めたお金を、さらに投資で増やして出資をしたのだ。

なのに、エイリアンを見るような目で見られて私としてはいささか不本意だった。

そして私と知人との違いは、「投資をする人」と「投資をしない人」のメンタリティの差であることに気づいた。

それについて今回は書きたい。

目次

投資をしない人は、お金を足し算で考える。

知人の懐事情を考えてみる

知人は全く投資をしない人で、堅実に会社で働いて貯金をしている。実際いくらくらい貯金しているのかはわからないが、賞与を合わせた年収(600万ほど)からみれば、仮に専業主婦の奥さんでも、月10万円×12か月で、年間120万円くらいの貯金はできそうである。仮にその貯金を続けられたなら、大学卒業後38年(60歳まで)働き続けたとして、4,560万円である。奥さんとの長い老後の生活を考えても、十分な貯蓄だと思う。

人生のイベントコスト

しかし、ここに子供の養育費やマイホーム、突然の医療費などを考慮すると、途端に消えていく。子供が成人するまでにかかるコストは一人1,640万円なんて話もある。

benesse.jp

とすれば、単純に子供の養育費を上乗せすれば3人目で赤字である。さらにマイホームを買おうという話になれば、さらにコストは増えることになる。もしかしたら収入面でも、将来的なリストラや、転職による収入減だって考えられる。

知人は平均年収から見れば比較的高い部類に入るから、以前、老後は2000万円くらいは要りますよ~的な試算を政府が出して、

f:id:umimizukonoha:20200401230837j:plainそんなん貯められるわけないだろうが!

と散々叩かれていたのも、まあそりゃそうだ、と思う。

インフレの危険も・・・

さらにインフレのリスクもある。38年コツコツ貯蓄したところで、それが定年までその価値を保っているのかすら怪しい。以下は独立行政法人の出している初任給の推移。

www.jil.go.jp

1976年(そろそろ定年を迎える世代)の初任給が10万円ほどだったのに対し、今は20万円ほどになっている。しかし、これは待遇が向上したわけではなく、物価が上がってお金の価値が下がっただけ。

想像してみてほしい、今は初任給が20万円だけど、私たちが定年を迎えるころには初任給が40万円になっているとしたら・・・コツコツ貯金している人にとっては恐怖だ。(勿論インフレが必ず過去と同じペースで進むとは限らない。あくまで可能性の話)

まとめ

以上を総合して考えてみれば、知人が私の1,000万円を事実上失ったという事を絶望視することも頷ける。知人はそれを取り返すのに9年弱かかるわけだから。

投資をする人は、お金を掛け算で考える。

では次に、投資をする側(私)の視点から見るとどうなるのかを考えてみる。

私の懐事情を考える

同じ前提で私が月10万円、年120万円を貯金したとする。しかし、私はそれを銀行に預けるわけではなく、証券投資に振り分ける。それをどういうものに投資するかと言えば、直近で言えば暴落した航空株とか。

f:id:umimizukonoha:20200510120245p:plain

https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=10year&scode=9201&ba=1

見てわかると思いが、2015年くらいに最高値を付けたときから、コロナショックがあって3分の1くらいの値になってる。もちろん、このまま上場廃止とか破綻したらゼロになる可能性だってあるけど、生き残れるケースだってある。私はいずれ業績や市況環境が戻れば10年以内に最高値くらいには戻るんじゃないかと期待してる。

注:これはあくまで個人の予想であり、パフォーマンスを確約するものでも、買いを推奨するものでもありません。

仮に5年くらいずっと株価が停滞したとして、同額で毎年買い増し、5年間に600万円投資することになる。そして、満を持してJALの業績が回復し、3倍になれば1,200万円の利益(NISA枠をフルで使えば無税)になる。

もし投資をしなければ、貯蓄して同じお金を貯めるのに3倍の時間(15年)を要する事になる。

投資収益で2倍~10倍はそんなに珍しいことではない

あくまでJAL株は例にすぎないし、JALが必ず復活するとは言えないが、株式市場において値が2倍~10倍になることは珍しくはない。(逆に言えば2分の1~10分の1になることも珍しくない)

さすがに少し前に話題になったガンホー株(パズドラのヒットで100倍以上になった)みたいなのは珍しいけれど、2倍、3倍はざらにある。

ガンホー

f:id:umimizukonoha:20200510122554p:plain

https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=10year&scode=3765&ba=1&n_cid=DSMMAA13

エーアイテイー株(私の投資先)

f:id:umimizukonoha:20200510122756p:plain

https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=10year&scode=9381&ba=1

事程左様に投資をする人というのは、長いスパンで考えればお金を何倍にすして取り返すチャンスが実はゴロゴロしていることを知っているので、一時的に失う事をそれほど恐れない。

投資する人はインフレを恐れない

日本に限らず、政府は世界的な傾向として適度なインフレを望む。特に今回のような危機の時には、日銀が政府発行の国債を買ってお金を政府に供給し、政府がお金をバラまくと、市中にお金が沢山出回るわけなので、相対的にお金の価値は下がる。前述の通り、インフレは貯金する人にとっては逆風だ。しかし、逆に投資する人にしてみると、市中に出回ったお金が株式市場に流れ込んだりすると株価は上がるし、みんながお金を使うようになれば会社の業績はあがる。インフレ分以上にお金を稼ぐことができる株式の価値は上がり続けるので、インフレを恐れる必要はない。

まとめ

投資する人は、損をするリスクも負う代わりに、比較的容易に増やす事ができることもできることを知っている。そして適切なスタンスで勉強を続ければ、損をするリスクを最小限にして、増やすチャンスを最大限に広げられる事を知っている。

最後に

投資するのもしないのも個人の自由だ。それは生き方の問題でありポリシーの問題だからだ。しかし、投資を一度も調べずにやらないと決めるのはやめた方が良いと思う。それは気持ちの上でも選択肢を狭める。

多少なりとも投資を実際にしている身からすると、これまで投資していなかった人は、せめてウォーレン・バフェットの投資法についての書籍と、インデックス投資についてだけ調べてほしい。逆にその2つの概要を知って興味が出なかったら投資はしなくてよいと思う。多分投資に向かない人なのだと思う。

めちゃくちゃ簡単なバフェット投資法のおすすめ入門書は以下。

お金持ちになるためのバフェット入門

お金持ちになるためのバフェット入門

  • 作者:三原 淳雄
  • 発売日: 2006/06/30
  • メディア: 単行本
 

インデックス投資はテキトーにググれば出てくると思う。インデックス投資はやっていることは難しくないので、ネット情報で十分だと思うが、上手くいくための小難しい理屈が欲しい人は以下の本が有名。

投資という考え方を取り入れるか入れないかで、人生で見えるものがガラリと変わるんじゃないかと思う。