資産運用を始めようと思った人がぶつかる悩みは主に以下の3つです。
この記事の結論を先に言いますと、資産運用の方法としては株式投資がベストです。
結論に異論がない方は、以下のリンクで株式投資の始め方を解説しているので、次のステップに行ってしまってください。
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「いやいや、理由が分からないと納得できない」という方にはできるだけシンプルに説明を書いていこうと思いますので、是非読んでいってください。
・何に投資すればいいの⇒株式投資一択
株式、債券、不動産、金、銀、原油、コモディティ、FX、仮想通貨、譲渡性預金、外貨預金などなど・・・現代は「投資」という言葉で調べると沢山の投資対象が出てきて、初めて資産運用をしようとする人はうんざりしてしまうと思います。
ただ、次の3つのポイントから投資対象を観察してみれば、資産運用の対象として選ぶべきは、株式投資一択であると当ブログは主張します。
その理由をできるだけシンプルに書いていきます。
①本当のお金持ちは何によってお金持ちになっているのか。
資産運用は資産を築くためにするものですから、まず実際に資産を築いている人が何によって築いたのかを知るのが手掛かりになるでしょう。
以下はフォーブスの出している2020年の長者番付です。
「関連」の部分を見て頂けると分かるのですが、世界的に有名な企業の名前が挙がっています。ここに名前のある方々は皆、「関連」の会社の創業者かその関係者であり、所有している株式の価値が上昇したために、この番付に名を連ねているのです。
「FX」とか「仮想通貨」とか「不動産」といったもので資産を増やした人は上位にいません。ずっと下位にいけば、「不動産会社」の株式を持っている方はいますが、個人で不動産を何百件も購入したり、FXでレバレッジ取引をして、富を増やしている方はまずいません。近年、テスラ・モーターズのイーロン・マスク氏が「仮想通貨」に投資して話題になりましたが、彼もまたPayPal社の前身であるX.com社を皮切りにいくつかの会社を創業し、その株式が物凄い価値になったからお金持ちなのであって、「仮想通貨」によってお金持ちになったわけではありません。
大富豪は皆、会社という名の資産運用の仕組みを株式という形で所有しているのです。
このように、基本的に資産を持っている人たちというのは、株式の価値上昇によって資産を増やしています。
すなわち株式は、資産形成の基本にして王道なのです。
では何故、株式以外のものが資産を築き難いのかについて、理由を考えます。
②Lose-LoseかWin-Winか。
数々の投資先は2つに分ける事ができます。
その投資先自体が「価値を生むもの」と、「価値を生まないもの」です。
株式、債券、譲渡性預金、不動産といった投資先は配当、利子、賃料といった収入をを生みますから「価値を生むもの」に該当します。これらの投資先は取引をする際、売却する人は売却益を得る事ができ、購入する人はその投資物件が生み出す将来的な利益を得る事ができる、Win-Winのトレードが成立します。
一方で金やコモディティ、仮想通貨といったものは、持っていたとしてもそれ自体は何ら「価値を生まないもの」です。
ならば、「価値を生まないもの」を買った人はどうやって稼ぐのか。
自分以外の誰かに、自分が買った以上の値段で売るしかありません。つまり、「価値を生まないもの」に投資する人は色々な事情や理由を並べつつも、原理的に自分以外の市場参加者とババ抜きをしていることになります。
ただ、現実的にこのババ抜きで勝ち続け、資産を築くのは非常に困難です。何故なら、そうした市場では一度上手く売却できたとしても、そこには「手数料」と「税金」がかかり、再度参加する時には、売却額より小さな額で、同じリスクに挑戦し続けなければならないのです。
全体としてのパイが「手数料」と「税金」によって食い潰されるLose-Loseのマーケットで、常に不特定多数の市場参加者を相手にババ抜きに興じる事が、資産形成の手段として如何に無謀であるか。
長期的な視点で考えれば必ずマイナスに収束するのは自明の理です。
この理屈は株式投資であっても売却を前提で購入する人にも同じことが言えます。
以下の書籍では学識者によってその事実が検証されています。
これが長者番付の上位に「FX」や「金」投資で財を成した人間が出てこない理由です。
どんな投資対象であれ、「売り抜けて儲けました」とか「うまく損切りできました」と語る人は既にLose-Loseのババ抜き的発想に片足をつっこんでいます。
Lose-Loseのゲームを続けていても、原理的には最後に大幅に資産を減らす結果になります。
③Win-Win投資の中で何が良いのか。
では、Lose-Loseの取引は論外としても、Win-Winのどれを選ぶべきでしょうか。
Win-Winの投資対象を上記の3つの基準で分類すると、株式が最も優れている事が分かると思います。一つ一つの基準を説明します。
インフレ
インフレとは通貨価値の下落、もしくは物価の上昇の事です。極端な例をあげればそれまで1個100円で買えたリンゴが200円になるような現象です。そんな事あるわけない、と思われるかもしれませんが、例えば新卒の初任給を見てみます。
以下は厚生労働省の資料です。
図4 初任給|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)
1976年頃は10万円ほどだった初任給が20万円以上になってます。これは物価水準の推移を見るのに有効な指標です。これは働いてせっせと預金をしていてもその価値が半分になっていることを意味します。
譲渡性預金や債券といった、利子や金額額面が固定されている投資先でも同じことが言えます。利子が5%の債券に投資をしても倍にするには20年かかります(単利計算)。5%の利子で20年持ち続けた先で物価が倍になっていたら、価値は20年前とイコールにしかならないわけです。これでは十分な資産運用とは言えません。
一方で不動産と株式はインフレになれば賃料や企業収益が自然と増えるため、それ自体の価値が増え、インフレへの対策として十分機能します。
インフレ懸念は決して過去だけの話ではなく、現代の政府というのは方針として適度なインフレを望みます。中央銀行もまた同じ金融緩和を行う傾向にあります。
となれば実現可能性がどれだけあるにしても、私たちが資産運用をする上では、このインフレに抗する能力を備えた資産に投資する必要があります。
そしてインフレという事象には不動産、株式に投資する事が望ましいと言えます。
競争
競争というのは投資する際の購入難易度の事です。譲渡性預金や債券、株式はビックマーケットが存在し、頻繁に売買ができるため、投資する事自体はそれほど困難ではありません。
しかし不動産だけは、原則として人対人の取引であり、不動産の売買や賃貸を専門とする不動産業者と優良な物件を奪い合う必要があります。人口減少やオフィス現象の現代日本の不動産マーケットでは、安定した収入を得られる良い物件は、年々減らざるを得ません。
また、良い物件があったからと言ってすぐに手に入るわけではありません。入札や交渉を経て初めて手に入ります。一般に素人が手を出すにはかなり難しい投資先と言わざるを得ないと思います。
競争という点から見れば、譲渡性預金や債券、株式が良いと言えます。
追加資金リスク
これもまた不動産の欠点ですが、不動産は購入後、改修などに費用がかかる事があります。台風などで屋根が壊れたり外壁に傷がついたりすれば、そのコストは家主である投資家が負担します。長い投資期間で考えた時、トータルでの利回りがかなり低くなります。
債券や譲渡性預金、株式は借金をして投資しない限り、追加で資金を投入する必要はありません。株式(企業)に関しては経営者という代理人が資金の範囲内で運用してくれているため、株主に追加負担を要求する事はあり得ません。
こうした事を総合的に考えていくと、資産運用は何で行うべきかという問いに対する結論は「株式投資一択」という結論に行きつきます。
本章の結論を繰り返します。
「何に投資すればいいの⇒株式投資一択」
です。
・損をするリスクは無い?⇒あります。
資産運用をする上で最も障害となるのはこの問いだと思います。
誰だって損をするのは嫌ですし、それを100%避ける事は不可能です。
しかしそれは「投資をしない」という選択においても言える事です。
先ほどインフレの可能性についても触れましたが、私たちが持っているお金は永久不変のものではなく、常に価値が変動し続けるものです。
日本円は常に各種通貨との相対によって価値が決まっており、常に変動し続けています。円安が10%進めば海外のものの値段が10%上昇するのと同じ事です。
私たちは普段意識していないだけで、何もしなくてもキャッシュという投資ポジションを取り続けているわけです。
こういう事を言うと
「いやいや、でもそれはみんな一緒でしょう。私だけが困らないなら別にいいよ」
という方もいるかもしれません。ただ、敢えて某藍染惣右介風に言います。
いつから「みんなが投資していない」と思い込んでいた・・・?
以下はNHKの記事です。
個人株主の数が過去最高 5473万人に | 注目記事 | NHK政治マガジン
上場企業の株式に投資している個人株主の数が昨年度、6%余り増え過去最高になりました。
東京証券取引所のまとめによりますと、国内の上場企業に投資している個人株主の延べ人数は昨年度、343万人余り増え、5473万人になりました。5年連続の増加で過去最高を更新しました。
5年前から始まった個人投資家向けの少額投資非課税制度=NISAの利用が広がっていることに加え、昨年度は特に「ソフトバンク」や「メルカリ」など消費者に身近な企業の大型上場が相次いだことが個人株主の増加につながったとみられるとしています。
また、老後に「およそ2000万円が必要になる」などとした金融庁の審議会の報告書をきっかけに、投資への関心が高まり資産運用に関するセミナーの参加者が増えています。このため海外投資家の取り引きが多い東京株式市場で、個人の取り引きがどこまで増えるか注目されます。
東証は「個人株主が増えれば取り引きが活性化し、市場によい影響を与える。個人の資産運用のニーズも高くなっているので今後も増加傾向は続くだろう」と話しています。
既に個人株主は5,473万人という事ですが、これは計算上日本人の2人に1人以上が証券投資をしていることになります。
思慮深い人は将来を見据えて、少しづつでも投資を始めてきています。周囲に公言するかどうかはさておき、現金だけという状況に対して危機感を抱いている人は多い筈です。年金も補助金も頼れなくなりつつある現代、キャッシュポジション100%の人は今後少なっていくものと考えられます。
「周囲がやっていないから」という理由で何もしない人は、実は一人だけ取り残されているリスクについても考慮しておく必要があります。
本章の結論を繰り返します。
「損をするリスクは無い?⇒あります。でもそれは投資しなくても同じです。」
です。
・参考になる本ないかな⇒バビロンの大富豪
ここまで読んで下さった方なら、
「資産運用を考えた方が良いかな?」
くらいには思っているのではないかな、と思います。
私としては上記の通り、資産運用をするなら株式投資一択だと考えているため、以下の記事から株式投資に進む事をお勧めします。
www.freelance-no-excelyasan.com
ただ、もう少し考えたい、という方もいるとは思いますので、 資産運用についてのおすすめの名著を紹介して終わりたいと思います。
バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか
この本は古代のバビロンを舞台とした寓話によって倹約や金銭的成功についての真理を描いた作品です。初版が発行されたのは1926年と今から100年近く前なのに、未だにハードカバーで売られ続けている驚異的な本です。
今は結構「~億円稼ぐ方法」、とか「グロース投資の手引き」とか、具体的な方法論を論じたものが手に取られやすい印象ですが、同書はそういった具体的な方法論を説くものではありません。資産運用の基本的な考え方、倹約や労働についての捉え方など、本質的な部分を物語形式で説明するものです。
今すぐに結果が欲しい人にとっては、大した役に立たないと思われる書籍かもしれませんが、資産運用を始める前に、こうした本を読み「自分が何のために資産運用をするのか」について自らに問い直すのも、必要な工程であると私は思います。
ちなみにかなり有名な本なので図書館に置いてるかもしれませんし、中古もブックオフとかでたまに売ってますから、別に購入する必要はないです。ただ、個人的には最近売り出した文響社のマンガ版より、昔からあるパンローリングの出している奴の方が面白いと思うので、そっちをお勧めします。
(初めて読んだ時のインパクトが鮮烈だったからかもしれませんが・・・)
本章の結論を繰り返します。
「参考になる本ないかな⇒バビロンの大富豪」
です。
・まとめ
今回の記事は「資産運用を考えているが、何をすればいいのか分からない」という方に向けて、資産運用において不安を覚えている方が抱えていそうな3つの疑問に対し、できるだけ客観的、論理的に説明できるような記事にしてみました。
もしこの記事を読んだことで、1人でも資産運用に踏み出そうと思った方がいれば、著者としてこれ以上嬉しい事はありません。
是非この記事を気に入って貰えたなら、続きとなる記事「株式投資の始め方」もご一読頂き、参考にして頂ければ幸いです。
www.freelance-no-excelyasan.com