本日は雑記です。
以下のようなニュースがありました。
10日の東京株式市場で大衆薬大手の大幸薬品株が一時、前週末比135円(13%)安の871円と急落し、年初来安値を更新した。6日に主力の空間除菌剤の販売不振で2021年12月期の連結最終損益が赤字になりそうだと公表。個人投資家を中心に失望売りがでた。
終値は102円(10%)安の904円だった。値下がり率ランキングは東証1部で6位で、売買代金は前営業日の7倍近くに膨らんだ。悪材料視されたのは業績の下方修正だ。21年12月期の最終損益は28億円の赤字(前期は38億円の黒字)と、従来見通し(31億円の黒字)から59億円引き下げた。空間除菌剤「クレベリン」の販売不振で在庫の評価損を計上したことが主因だ。
新型コロナウイルスのワクチン接種が進むなか、「クレベリン」の売れ行きは大きく減少している。衛生意識の高まりで前期に膨らんだ需要の反動減が出ており、生産調整に伴う工場の設備関連費用なども損益を押し下げている。
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大幸薬品については4月に分析していたため、暴落と聞いたのでフォローします。
大幸薬品については正露丸というビックブランドを持ちつつも、一族経営やストックオプションによる希薄化など、あまり好ましくない分析内容でした。
クレベリンの増産については、在庫を大量に積んでいる事について、どっちに転ぶかという事を書いていましたが・・・ダメだったようです。。
以下は業績予想の修正
大幸薬品[4574]:2021年12月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2021年8月6日(適時開示) :日経会社情報DIGITAL:日本経済新聞
この発表を受けてのマーケットの反応は以下
ストン、という感じで下がりました。
ちなみに私は有価証券報告書しか読んでいないので知らなかったですが、大幸薬品の社長さんは2020年3月に増産しない、という考えだったそうな。。
ルネットさんという方が面白いTweetをしていたのでご紹介です。
大幸薬品クレベリン物語
— ルネット@雰囲気投資家 (@4Ug5SEfXVSaQmX0) 2021年8月6日
2020.3 「過去作りすぎて失敗したから、クレベリン増産しない、同じ轍は踏まない。」
2020.8「やっぱり、儲かりそうだから10倍の設備でクレベリン増産するで!」
2021.8「クレベリンの在庫タブついて死にそう」
何故なのか…… pic.twitter.com/dHXShCvAla
創業家が株式を大量に持ち、役員をしている会社なので、一部の方の意見で会社の方針が決まり、こういった意思決定がグラグラするという事があるのかな、と。
大幸薬品はクレベリンにしても正露丸にしても、素人でも名前を聞いたことのある大衆薬を扱う会社です。一定のブランド力はあると思って良いと思います。
しかし、どれだけブランド力があり、商品が時流に乗っていたとしても、経営陣が判断を誤ると、大きな損失に繋がってしまう。今回の一件はそれを如実に示しているのではないかと思います。
こういった事例を見ると、製品や一時的な好業績などに惑わされず、数年の数値の動きや資本関係、事業の内容や方針といった質的部分を見ていき、会社の体質や経営者の質を分析していくという当ブログの方針は、あながち間違っていないんじゃないか、と思うのです。
ちなみに当ブログの分析結果としては、大幸薬品さんはコーポレートガバナンスや株主還元方針といった質的な部分の印象があまり良くないので、株価が下がったとしてもあまり買う気にはならないです。。
会社として儲かっても、今後もじわじわ役員報酬とストックオプション+意思決定ミスによる損失で、利益が株主に戻る前に創業家に吸収されていく気がするんで。。