企業分析アナトールの株式投資

企業分析の「正しい答え」を教えるブログではなく、「答えを探して藻掻く姿」を見せるブログ

【260A】オルツ・・・この手痛い夜を己が身に刻み付けておくしかない。。

結論・・・今はただこの痛み(マイナス)を受け入れるしかない。。

 

当ブログの読者の方はご存じのこととは思いますが・・・私はオルツという会社にかなり期待し、私にとってはそれなりの金額も投資してます。。

 

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そんな私にとってかなり手痛いリリースが出ました。

オルツ[260A]:第三者委員会設置及び2025年12月期第1四半期決算短信の開示が四半期末後45日を超えることに関するお知らせ 2025年4月25日(適時開示) :日経会社情報DIGITAL:日本経済新聞

今日はこのリリースについて書きたいと思います。

先ずはリリースの内容を整理します。

三者委員会設置及び2025年12月期第1四半期決算短信の開示が四半期末後45日を超えることに関するお知らせ

当社は、本日開催の取締役会において、下記のとおり、三者委員会の設置を決議いたしました。また、これに伴い、2025年12月期第1四半期決算発表を延期することといたしましたので、お知らせいたします。当社の株主、投資家、市場関係者の皆様並びにお取引先、その他すべてのステークホルダーの皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。

三者委員会設置の経緯

当社は、今月初旬より、証券取引等監視委員会の調査を受けており、これを端緒として確認を進めたところ、当社の「AI GIJIROKU」の有料アカウントに関し、一部の販売パートナーから受注し計上した売上について、有料アカウントが実際には利用されていないなど、売上が過大に計上されている可能性が認められました(以下「本件疑義」といいます。)。「AI GIJIROKU」は、当社が2020年1月に提供を開始したプロダクトであり、当社としては、「AI GIJIROKU」の一部の販売パートナーの受注分における有料アカウントに係る売上計上額に関する事実関係を明らかにするべく、調査の専門性及び客観性を確保した調査が必要と判断し、当社と利害関係を有さない弁護士及び公認会計士からなる第三者委員会を設置し、同委員会による調査を実施することといたしました

 

要は、一部の販売パートナーから受注し計上した売上が過大なのではないか、という疑義があるという話です。

オルツは社員が少ない事もあってライセンス販売についてジークスという会社と契約を結び委託してます。

 

それだけにジークスへの売上がかなりあります。

 

 

そして、一部の販売パートナー、という書き方は契約があることを匂わせており、有価証券報告書上、契約を明記しているのはジークスだけですから、普通に考えるとジークスと考えるのが無難です。

 

ただ、このリリースで厄介なのが、この部分。

「一部の販売パートナーから受注し計上した売上について、有料アカウントが実際には利用されていない」

この部分、普通に考えたら、利用されようがされるまいが、ジークスがオルツに対して代金さえきちんと払っているなら、そこから先はジークスの問題で、売れなかったらジークスが困るだけの話で、オルツが困る事では無いんです。将来的にAI insideで起きたように、販売代理店から代理店契約を打ち切られて、大幅な売上減が起きたらオルツも困るでしょうが、少なくともそれは今の時点ではオルツで問題になるような話ではない。にもかかわらず、今回オルツが査察を受けているわけです。

「今月初旬より、証券取引等監視委員会の調査を受けており、これを端緒として確認を進めたところ、当社の「AI GIJIROKU」の有料アカウントに関し、一部の販売パートナーから受注し計上した売上について、有料アカウントが実際には利用されていないなど、売上が過大に計上されている可能性が認められました」

 

こういうリリースが出てきた時、何が懸念されるのか(あくまで懸念です)。。

それは、オルツがこれに関与しているのでは・・・ということです。

ジークスが自由に購入するならば、たとえライセンスが稼働しようとしまいと、ジークスの勝手です。オルツ咎められる謂れはありません。ただ、もしオルツが関与しているとなると、それは自分達の売上を良く見せるためにジークスに買わせている可能性、つまり粉飾の懸念が出てきます。。

具体的にオルツが関与している可能性を挙げるなら(あくまで可能性)、オルツが販売手数料という名目でジークスにお金を払い、ジークスはそのお金でオルツに代金を支払っている、というケースです。この手法であれば、少なくともオルツの財務諸表に架空の売掛金は残らないので、少なくともB/Sから判別する事はできません。また、大量の広告宣伝費(販売手数料?)が出ているP/Lにしても、契約している販売代理店に手数料を支払う事自体は特別ではないですから、契約内容についてきちんと把握していない限り、これだけではおかしいと断定できるほどの材料ではありません。要はこの手法の場合、沢山ある可能性の一つを指摘することはできても、少なくとも財務諸表を見ただけで安易にシロクロ判断はできません。

 

しかし、シロクロ判断ができない状況からこそ、証券取引等監視委員会が動き出しているというこのリリースは投資家に恐怖を与えます。こういうのは疑義を持たれる時点で問題で、仮に、オルツが潔白であったとしても、疑心暗鬼によって株価は暴落する事が予想されますし、クロであれば悪ければ上場廃止、完全な全損も考えられます。いずれにせよ持ってる人間にとっては辛いだけです(T_T)

 

とりあえず、私は全損覚悟で腹をくくって、事実関係が分かるまでホールドするつもりですから、シロクロは第三者委員会の報告書を待って再度、分析するようにしましょう。。(もしかしたら私より良く状況が分かってそうな人が、記事書いているのを見つけたら、取り上げるだけで済ましてしまうかもしれませんが・・・)しかし、こういう事があると本当に、歴史の浅い企業やまだ小さな会社に投資する時は資金コントロールが大切だとつくづく実感します。。信用買いは論外ですし、ある程度ポートフォリオの割合を抑えておかないと、こういう時に心臓が持ちません。。あー・・・ただ、私はそれでも、本当に手痛いですけどね。。

 

正直、私がオルツに期待していたのってAI GIJIROKUによる目先の売上とかじゃなくて、キーエンスを筆頭にそれなりの企業や監査法人と提携していたAI関連のプロダクト企画の方なんですけどね。。そっちで上手くいかなかったとかならまだしも、こういう疑義を抱えてしまうとは。。あのキーエンス資本提携させるだけのポテンシャルがあってなぜそんなことに・・・本当に勘弁してほしいっす。。

 

損は投資の常としてもう仕方ないとしても、せめて何らかの教訓に繋げたいところです。