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no tax on overtime

ワードの基礎情報

概要

「no tax on overtime」とは、2025年からアメリカで導入された新しい税制改革の一部で、残業代(overtime pay)の一部を連邦所得税の課税対象から外す制度のことです。
ただし「完全に無税」になるわけではなく、一定の上限額までを所得控除できるという形で実施されています。

この制度は「One Big Beautiful Bill(略称 OBBB)」と呼ばれる法案の中に含まれ、2025年から2028年までの期間限定措置です。


制度の仕組み

1. 控除の対象

  • 対象は「法定残業(overtime)」に対して支払われる追加分です。
    例えば通常の時給が1時間20ドルの人が、残業で「1.5倍(30ドル)」をもらう場合、そのうちの“追加の10ドル分”が控除の対象になります。

  • 年間の控除上限額は、独身で約12,500ドル、夫婦合算で約25,000ドル。

  • 高所得者になると段階的に控除額が減少(フェーズアウト)し、一定以上の所得では恩恵を受けられなくなります。

2. 対象となる人

  • 残業代の支給を受ける「非除外労働者(non-exempt employees)」が対象です。

  • 管理職や専門職など、固定給で残業代の出ない「除外労働者(exempt employees)」は対象外。

  • 原則として、雇用契約に基づいて雇われているW-2従業員のみが対象で、独立請負業者(フリーランスなど)は対象外です。

3. 適用の仕方

  • 給与から自動で免除されるわけではなく、確定申告(tax return)の際に控除を申請します。

  • 雇用主は、残業代の中で控除対象となる金額をW-2フォームなどに明記して報告する義務があります。

  • 控除の対象は連邦所得税のみであり、社会保障税(Social Security)やメディケア税(Medicare)、州・地方税には引き続き課税されます。


政府の狙いと効果

  1. 労働時間の拡大を促す
    残業による収入が増え、手取りが上がることで「もっと働けば得になる」というインセンティブを高める狙いがあります。

  2. 中低所得層の負担軽減
    残業を多く行う中低所得層の税負担を減らすことで、生活の支援につなげる目的があります。

  3. 税制改革の一環
    同法案では「チップ収入への課税軽減」など、労働者層への優遇策も併せて盛り込まれています。


批判・課題

  • 恩恵を受けられる人が限られる
    残業をしない、あるいは残業代が出ない職種の人は影響を受けません。
    一部の推計では、全納税者の1割以下しかこの制度の恩恵を受けられないとされています。

  • 財政への影響
    残業代への課税を減らすことで、連邦政府の税収が減り、財政赤字の拡大が懸念されています。

  • 適用範囲の複雑さ
    どの残業が「qualified overtime」に該当するかの線引きが複雑で、企業側の給与処理や報告業務の負担増が予想されています。

  • 一時的措置であること
    現行法では2028年までの時限措置であり、その後継続されるかは議会での再審議が必要です。

  • 州税との不整合
    州によってはこの控除を認めていないため、州税では従来通り残業代全額が課税対象となる場合もあります。


今後の見通し

  • この制度は「労働者優遇の象徴」として注目されており、今後の大統領選や議会選挙で争点になる可能性があります。

  • 州レベルでも同様の優遇措置を検討する動きが出ていますが、財源確保の課題から慎重な姿勢も見られます。

  • 政策効果が限定的である場合、期間満了後に廃止される可能性も指摘されています。

 

【コメント】

トランプ政権の政策を見ていると労働者優遇、支持している層も労働者層が割と多いというイメージがある。トランプさん自身は親の代からお金持ちで、所属政党も資本家寄りの共和党なのに、支持する人たちはその辺に違和感はないのかな。まーでも別にアメリカに限らず、政治家になる人の多くは親の代からのお金持ちばっかりだから、あまり出自などは支持に関係しないのか。。

この税制はあくまで申告制だし、元々欧米では日本ほど残業を良しとしない文化で、残業してまで働いて給料をたくさんもらっている人は、年俸性を取っているから、残業代を多少免税してもあまり効果はないのではないかな、と。

時限式で効果を見て継続を決めるそうだが、個人的には続かないのかな、と。

逆にこれ日本でやったら税収減の懸念が大きすぎて法案通らないんじゃなかろうか(笑)

 

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