今日は少し投資に関連して宝くじについて考察してみたい。
宝くじ買うと還元率が46%だから、買う奴は買った時点で54%損をしている。何も買わない方がまだマシだよ。マネーリテラシーの低い人はこういうの分かってないよね。
てな事を仰る方がいます。まあ、ある意味その通りでしょう。
お金は大事だし、リスクとリターンを考え期待値をはかるのは賢明な事です。
だが、期待値の話を持ち出し、「宝くじを買う人=マネーリテラシーの低い人」という認識を賢しらにひけらかす人は、浅薄な考えを披露していると私は言いたい。
この記事は結論から言えば、「宝くじの還元率は86%である」という主張です。
異論のある人もいるでしょうが、まあそんな考えもあるのか、という程度で読んでくだされば幸いです。
目次
前提となる用語と数値確認
寺銭、という言葉をご存知でしょうか。
寺銭とは、賭博が行われる場合に、それが行われる場所を提供する者に対して支払われる金銭のことです。公営競技や宝くじなどの公営ギャンブルの場合にも、主催者側の利益となる一定の割合(控除率)の金銭のことが寺銭と呼ばれていることがあります。
宝くじや競馬といった、いわゆるギャンブルに参加した場合の掛け金から、実際に返ってくるお金の割合を還元率と呼び、帰ってこないお金を寺銭と呼んだりします。
以下はその還元率リストです。
参考:http://www.gambles-payout-ratio-ranking.com/keibapayout/
で、この結果を見て、冒頭のびふぉあ社長のような事を仰った上
宝くじ買う奴とかマジ馬鹿だわ~
とか煽る方もいらっしゃる。
オーケー、クリーク(戦争)だ。
とまでは言いませんが、ちょっとここで別の視点を入れてみたい。
宝くじで集まったお金の使途
以下は宝くじ公式サイトで公表されている、宝くじで集まったお金の使途(平成30年度)になります。
https://www.takarakuji-official.jp/about/proceeds/top.html
上記資料から言えば、当選金として支払われるのは46.5%。だから還元率は46.5%。
ただ、ここで他の使途に目を移して頂きたい。
残りの38.2%は公共事業に使われ、1.3%は社会貢献広報費に使われます。
利己主義の方々が寺銭と揶揄する※このお金は、見方を変えれば「社会への貢献」或は「寄付」とも解釈できると思うのです。
※ちなみに寺銭は今でこそ胴元の利益のような解釈がされているが、その語源は賭博による儲けの幾らかを寺社に寄進していたことらしいので、ある意味的を射ている。
「寄付・社会貢献」という観点を入れる
つまり、私が思うに宝くじとは、「寄付・社会貢献」の要素と「一攫千金之夢」が合わさったティケット!であり、「寄付・社会貢献」としての要素を理解して購入したならば、その期待値は86%にまで跳ね上がるのです。これならば他のギャンブルと比べても還元率は引けを取りません。
貴方が宝くじを買う事で寄付したお金は、各地を巡り、高齢化少子化対策、防災対策、公園整備、教育及び社会福祉施設の建設改修など、それぞれの地域の人々の暮らしを豊かにする事に使われるのです。それは胴元の懐を潤すギャンブルに比べれば、決して悪くないお金の使い方じゃないでしょうか。
綺麗ごとを言うな!金は冷徹にコツコツ損得を計算するからこそ貯まるんだ!ちまちま気前よく寄付なんかして金が貯まるか!
ちなみに、アメリカ史上最高の富豪と謳われるジョン・D・ロックフェラーは敬虔なクリスチャンで、幼い頃から収入の10分の1を必ず献金していたそうです。要は貴方に金が溜まらないとしたら寄付するからではなく、貴方のマネーリテラシーが低いからです。
マネーリテラシーの高い人の愚かな選択
お金の使い道は個人の自由ですから、何買ったっていいと思います。ただ、「宝くじを買う人はマネーリテラシーが低いよね」とか言ってお金を銀行に寝かせている人には「それは違う」と言いたい。その人は賢いのではなく、単に視野が狭く、臆病で、利己的なだけです。
経済はお金を払わなければ回りません。
端的に表現した記述があるので引用します。
「バビロンの大富豪」より引用
「金持ちが館を建てたとして、そこで払った金はそれで消えてしまうかね。そんなことはない。レンガ造りにその金の一部が行くことになるし、画家や彫刻家にもその一部がいく・・・(中略)・・・しかもその館が完成すれば、館はかかった金の分だけの価値がある事にならないね。・・・(中略)・・・富というのは魔法のように増えるものなのだよ
誰だって安全のためにある程度の貯金は必要だと思いますし、万一に備えて貯金する事は悪い事ではないです。ただ、みんながマネーリテラシーを語り、無策に倹約ばかりしていても経済は回りません。貯金している人が宝くじを買う人より賢いなんて道理は絶対にない。利己的なマネーリテラシーを振りかざして貯金している人よりは、宝くじ買って世の中にお金を流している人の方がよほど偉い。少なくとも私はそう思います。
提言:給付金の使いみちが無いなら、宝くじ買ったら?
今度、コロナショック対策で一人当たり給付金が出るわけですけど、みんなが寝かせておいたらあんまり経済効果は見込めません。かといって一人10万円って結構な大金じゃないですか。どうせならパーッと使いたいけど自粛モードだから酒飲みにもいけないし・・・
そんな時、宝くじ買ってみてはどうでしょうか。どうせ元々手元に来るはずなかったお金です。パーっと宝くじ買ってしまえば、期待値的に考えれば46.5%が返ってくるし、39.5%は寄付です。経済を回すという目的から見れば100%完遂できます。もし1等当選したら、給付金で人生変わるかもしれませんよ。
コロナが流行っている中、宝くじ買いに並ぶとか馬鹿だろ
とか思った方。
当選確率の高いところで購入を代行してくれる仕組みもあるんです(ドヤァ)
給付金を良い契機として、新たな価値観にお金を使ってみてはいかがでしょうか。
そうすれば、少なくともお金は世の中に回ります。
まとめ
別に誰がどんな金の使い方しても良いと思うんです。
ただ、お金の使い方にはその人の本性というか性質が映し出されると思うのです。
そして、お金の使い方を個人的な利益の範囲でしか考えられてないのは、ちょっと浅いんじゃないかな、と思うんです。
繰り返しますがこれは私の勝手な解釈です。宝くじを買う、買わないは個人の自由であり、その当選結果について当方は一切関知致しません。「おい、当たんなかったぞ、還元率86%とか言っといてどうしてくれる」とかはご遠慮ください。