企業分析アナトールの株式投資

企業分析の「正しい答え」を教えるブログではなく、「答えを探して藻掻く姿」を見せるブログ

2022年のご挨拶~不適切会計のこととか~

読者の皆様、明けましておめでとうございます。

企業分析アナトールです。

当ブログで企業分析を始めてもう1年半以上も経過してしまいました。

ブログで分析を発表できたのは180社程度・・・まだまだ研究の道は遠いです。。

本業も家庭もそれなりに大事にすると、この分析に割ける時間は結構ない。。

いつかはこの分析や研究を本業にしたいものです。

ついては、2021年のFree-EXレポートを発売しました。

今回の内容は企業の分析紹介ではなく、分析のポイントというか、考え方の基礎部分について書いてます。当ブログの分析に興味を持って下さった方や、この活動を応援下さる方はご購入をお願いします。

なお、本活動を本業にするための一環として、ニーズの高いIPO株や米国株の分析を1社500円くらいで売ってはどうか、というアドバイスを御二方くらいからされたので、今年はそっち方面も考えられたらいいな、と思います。基本は企業研究優先なので、有料記事はFree-EXレポートが最優先、それ以外はゆるくいきますが、自分自身で商売するのも結構ビジネスの勉強になります。(その難しさを知る意味で)

 

ところで最近、日本M&Aセンターホールディングスが「売上の期間帰属等に関する調査のお知らせ」を発表しました。

要するに売上を前倒しか後倒しにしていた可能性があるという事です。

個人的には、仮に事件が意図的であったとしても、これ自体はそれほど怖い不正ではないと思ってます。単なる売上の前倒しや後倒しの期ズレは未熟な企業であれば、担当者のちょっとした勘違い、取引先との行き違いなどで起こり得ることですし、金額影響もたかが知れています。

2021年に分析を依頼されて分析したグレイステクノロジーでも、ちょうど不適切会計疑念の発表があり、そこにフォーカスした分析をしました。

グレイステクノロジーについては、様々な可能性を考えましたが、例えば売掛金の架空などの場合であっても、売掛金の明細はある程度有名どころで抑えられているため、金額影響はそこまで致命的なものにはならない可能性は十分にあります。

(その点は続編の最後でも指摘したつもりです)

いずれの企業もわざわざ公表して捜査する以上は、何らかの問題があるのは確かでしょうから、それについては粛々と対処していってくれれば良いと思います。

 

ただ、この2件の事象が騒がれた理由の一つに株価の下落があると思われますが、こと株価の下落に関しては、投資家にも反省すべき点はあるのではないかと、私は思います。

少なくとも私の基準から見れば、この2社の最高値の株価水準は稼ぐ利益に対して異常な割高でした。財務状況や企業の成長速度を楽観しても、全く同意しかねる水準です。株価下落の直接的なきっかけは企業側のミスにあるのかもしれませんが、その振れ幅を大きくしているのは間違いなく投資家自身の過度な期待です。

企業というのは生き物です。忙しすぎたり焦ったりすれば過ちだって犯すし、景気が悪くなれば伸び悩みもします。成長期の企業ならなおさらです。ならば私たち投資家はそうしたリスクを飲み込んだ上で、企業のありのままの姿をよく見て(分析して)、その価値に見合った適切な期待(投資)をしていかねばならないと思います。

企業をよく見もせず、学びもせず、一方的に期待だけを押し付けて、自身が損をしたら責任は全部企業に押し付ける、というのはあまりに身勝手な話です。

企業の不適切な事象を擁護する積りはありませんが、そうしたリスクも含んで見なければならないのが投資であり「自己責任」という言葉の意味です。私たち投資家はそれを忘れずに投資と向き合う必要があると思います。

幸い当ブログはそんなに人の来ない過疎ブログで、わざわざ見に来るのは、かなり勉強熱心な方や賢明な方が多いように見受けられるので、こんなことを書くまでもないように思います。ただ、株価が下がっただけで「クソ株」だなどというコメントを見るにつけ、それを言われる企業側のことを思うとやりきれなくなる思いがあり、年始から愚痴りました。すみません。

という事で、私は今年も「企業の本質」を見極められるような分析を目指して一社一社精進していこうと思います。

では、2022年も何卒よろしくお願いします。