結論:オルツ(260A)の目指す未来は他のビジネスに大きな影響を与えうる
前回オルツについてライトな記事を書きました。
www.freelance-no-excelyasan.com
前回の記事からオルツに対する期待は変わりません。
引き続き頑張ってもらいたいです。
ただ、オルツの動向をウォッチしていると、ただオルツの成長を手放しで喜んでいる場合ではないのかな、と思い始めてきました。
オルツは現在、基盤となる技術をベースに様々な事業展開を模索してます。
現状でオルツが進出して期待できる分野は「人材」「不動産」「M&A」です。
これらの業種は、いずれも情報量が肝となる仲介業であり、高い機密性が求められるデリケートな仕事です。これを人間がやった場合、社員には高い報酬を払う必要があり、情報量はその人に入ってくる情報のみに限定され、さらに機密漏洩などの様々なリスクが出てきます。しかし、AIであればインプットできる情報量は人間の比ではなく、機密が漏洩するリスクも限定的です。この仲介をAIが代替できるようになれば、現在高い仲介料を取っているこれらの「人材」「不動産」「M&A」という業種の企業群はことごとく淘汰されることも考えられます。これは、インターネット革命に匹敵する、ゲームチェンジとなるかもしれません。
当ブログでは過去、優れた企業の分析を行ってきましたが、優れていると判断できる企業の中には、当然「人材」「不動産」「M&A」といった分野の企業もいます。ただ、これらの会社に関して企業分析する際は、このAIによるゲームチェンジの影響、対応の仕方を注視する必要が出てきました。
過去に当ブログで優良としていた日本M&AセンターHDを例に挙げてみます。
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同社はこの分析の後、売上の不適切計上(前倒)が発覚して大きく株価を下げました。
その不適切会計は売上の前倒しという比較的ありがちな不正で、粛々と対策さえ打てればそこまで大きな問題とは思いませんでした。元々この分析当時、同社は非常に高い株価で、とてもこの値段では買えないと思っていたため、この株価の大幅な下げは元々期待値が高すぎた事によるものと思われます。よって、この不正後、大きく株価が下がったタイミングで、私は同社を買うチャンスを覗っていました。(結局買いたいと思っていた値段まで下がらなかったので買ってませんが・・・)
ただ、オルツの描く未来が実現すると仮定すると、M&AセンターHDのビジネスも決して安泰とは言えなくなります。M&A仲介企業はオルツのようなAI企業と提携し、既存のM&AノウハウとAI技術をトレードして共に発展していくなど、想定しうるゲームチェンジへどう対応するかが、今後の存続に関わってくるかと思われます。これは不正云々以上に、今後企業分析をしていくうえで念頭におくべき重要ポイントになっていくかと。
最後に
オルツが目指すパーソナルAIのイメージ映像は以下です。
この未来はなんか勝手にAIが色々やってしまっていて、さすがに行きすぎな気がしてますが、パーソナルAIが情報集めや面倒な事務手続きを代行して、人間に報告してくれる未来くらいだったら便利で十分あり得るなーと思います。
2年ほど前にグーグルのピチャイCEOがChatGPTに対してコードレッドを出したという話、当時は正直あまりピンときてなかったですけど、今なら分かる気がします。
グーグルが方針変更、ChatGPTに対抗へ…ピチャイCEOが新しいAI製品の開発を指示 | Business Insider Japan
オルツの掲げるパーソナルAIという技術が実現したら、私たちはAIに質問したり命令するだけで、実際の検索はAIがやるようになって、私達自身が検索しなくなるので、グーグル最大の収益源である検索広告の意味がなくなります。
オルツの掲げる理想が部分的にも実現すれば、大きなゲームチェンジに繋がりかねません。各企業はこの変化を意識すべきですし、このAIの進化にどう対応していくのかが、企業の試金石になっていきそうです。