企業分析アナトールの株式投資

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マンガ記事㉖責任~あふたー株式会社~

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 漫画解説~トラブルの対応~

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plain今回はトラブルの対応についてです。本編で言っている通り、あふたー株式会社では、少なくともマネジメント層が事情の報告や再発防止策案を求めたりはしません。勿論、社長自らが世間に向けて公表しなければならないような事案ならば、内容を把握する必要がありますが、社内で解決するレベルであれば、各チーム、各社員の自助努力を尊重します。
f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plain結構大胆な方針ですよね。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plain現場の事というのは、現場の人間が最も理解しているという考えが前提です。いちいちマネジメントへの報告や意思決定を必須とすると、どう頑張っても初動が遅くなります。無論、マネジメントがより広い見地から、より良い解決策を出したりする可能性もあるでしょうが、そんなケースは現実的に稀ですし、後からいくらでも調整がききます。

わが社では、長い議論の末マネジメントが納得する「正しい」再発防止策を1つするより、拙くとも現場が必要と考えた再発防止策を迅速に実行する事を推奨します。

 f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plain孫子の兵法で言う所の「兵は拙速を尊ぶ」でしょうか。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plainその通りです。その言葉の真意を簡単に言えば、「戦というものは財、人、金を大量に消費するものであり、戦に時間をかける事は国家の存亡にかかわるため、たとえ拙くとも迅速に遂行すべし」という教えです。トラブル時の対応も同様で、意思決定に時間をかければかけるだけ会社の信用を失い、社員のモチベーションも奪うものです。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plainしかし、もし現場のやり方が間違っていたら、大変ですよね。マネジメントの方は部下が勝手にやった事に対しても責任を問われる事になりませんか?

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plain通常のトップダウンの会社では、一切の責任をトップから任されたマネジメントが存在するため、部下が上司にきちんと報告しなければ問題になるでしょう。しかし、わが社におけるマネジメントの役割はチームメンバーに適切なサポート、アドバイスを与える事であり、その評価は上からではなく部下、同僚、上司から均等に評価されます。つまり、チームで生じたトラブルについて、必ずしも一切の責任を負うものではありません。そのマネジメントが負うのは人を扱う責任だけです。何度もトラブルを起こす人間を放置しない限りは、トラブルやその対処法自体がマネジメントの責任にはなり得ません。

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plainそうなると、現場の人が全責任を負う事になりますね。

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plainその通りです。現場の人間は自身の判断に責任を持たねばなりません。ただ、現場の人にはトラブル発生時にマネジメントに相談するという選択肢が用意されていますし、自己判断で勝手な対応をしたとしても、それが倫理や社の理念に反する行為でない以上、咎められる事はありません。トップダウンの会社では正しい対応をしても、現場が「勝手に意思決定した事」自体が問題となる)もし結果的に、その行動が社の理念に反した場合であっても、事情を知る周囲が「情状酌量の余地あり」と判断されるのであれば、苛烈な評価をされる事はないでしょう

f:id:umimizukonoha:20200401230257j:plainなるほど・・・360度評価という体制ありきのトラブル対応への考え方なのですね。。よくわかりました。最後に何かまとめの御言葉などはありますか?

f:id:umimizukonoha:20200406111829p:plain最後に、もう一つ孫子の言葉を紹介して終わりましょう。孫子の有名なエピソードにこんなものがあります。

後に孫子と呼ばれる、孫武は呉の国の軍師として仕官する際に呉王から「女官たちを訓練して能力を示せ」という試練を与えられます。

命じられた孫武は、まず女官たちを左右二つの軍に分け、それぞれの長に呉王が愛する二人の妃を任命しました。

しかし長として選ばれた2人の妃は、ヘラヘラとはしゃいでばかりで孫武の命令に全く従わず、他の女官たちも腹を抱えて大笑いしている始末。

仕方なく孫武は、命令を聞こうとしない2人の妃を殺すことにしました。

呉王の使いが慌ててやってきて、「あなたが私の愛する姫を殺せば、私は食事を食べても味がしない。孫武将軍の軍を指揮する能力を認める。2人を許してやってくれ」と、皇帝の命令が伝えられました。

それを聞いた孫武は「軍に冗談はない。将、外にあっては、君命も奉ぜざるあり」と言ってその二人を殺しました。

その後、太鼓を打てばすべての女官は従い、軍の練度は飛躍的に高まったのです。

訓練を終えた後、孫武は呉王に報告するために宮殿を訪れましたが、二人の妃を殺された呉王は不機嫌でした。

孫武は恐れることなく「賞罰言明、軍事は法に則(のっと)るのが常であり、軍を治める法則です。このようにすれば兵は必ず命令に従い、必ず敵を打ち破り勝利を得ることができます」と説明しました。

呉王もまた度量のある王でした。この話を聞くと呉王の怒りは消え、孫武を将軍に礼拝しました。その後、呉は孫武の兵法によって春秋時代の五覇の一つになったのでした。

わが社の社員はそれぞれが「理念遂行」を実行する将であり兵なのです。場合によっては遂行のための手法が王(マネジメントや周囲の社員)の意に沿わぬ結果になってしまう事もあるでしょう。しかしそれが、王命(会社の理念)に沿おうとする以上は、いちいち採決を取らず意思決定して構わないのです。

「将、外にあっては、君命も奉ぜざるあり」

これがわが社の社員に共通して流れる矜持なのです。

 

原作者注

ちなみに天才君があらたさんに過敏に反応したのは、彼自身が以前はミスした人間をつい責めてしまっていた経緯があります。今はあふたーの論理を理解し、自分自身に責めてはならない事を言い聞かせているが故に過敏に反応しています。今回のトラブルは彼がミスったわけではなく、彼なりに会社の論理に馴染み、変わろうとしているのだと理解して貰えれば幸いです。

 

漫画リンク

www.freelance-no-excelyasan.com