アマゾンの創業者について書かれた本の中で、こんなセリフがありました。
状況としては、管理職の方々が、コミュニケーションを活性化するために、セミナーを受けようとした時にジェフベゾスから言われた言葉です。。
言いたいことはわかるが、それは大まちがいだ。コミュニケーションは機能不全の印なんだ。緊密で有機的につながる仕事ができていないから、関係者のコミュニケーションが必要になる。部署間のコミュニケーションを増やす方法ではなく、減らす方法を探すべきだ
ージェフ・ベゾス(アマゾン創業者)ー
さすがだな~と思います。
Amazonのビジネスの発想は、非常にシンプルです。インターネットを使ってモノを売る。それ自体は特段驚く発想ではないと思います。
黎明期に同じようなビジネスはありましたし、今でも中国はアリババ、日本は楽天など、競合がひしめいています。
ただ、社を率いるトップが、業務効率一つとっても、優れた見識があるからこそAmazonはこれだけの成長を遂げられたのではないかと私は思います。
コミュニケーションは次善の策
社会人に必要なスキルとしてコミュニケーション能力が挙げられる事が多いです。
確かに、トラブルが起きた時はコミュニケーションによる対応が必要になりますし、そういう時にこそ、社員の存在感が発揮されます。
しかし、本来はコミュニケーション能力よりも「トラブルが起こらない仕組みづくり」が最善策なのです。
古代中国の軍略書「孫子」の中に、「百戦百勝は次善の策、戦わずして勝つのが最善である」という記述があります。ジェフベゾス氏の指摘はこれに通じるように思います。
戦争もトラブルも、どれだけ上手く解決したところで、起きてしまった時点で次善の成果なのです。
戦争もトラブルも起こさないのが最善の策であり、組織は常にそこに最大限のリソースを投入すべきなのです。
→要は、コミュニケーション能力の高い人材探しに躍起になる前に、人材を投入する場所、組織の仕組みが、無駄なコミュニケーションを必要とする現場になっていないのかを見直す必要があるのです。
コミュニケーションを減らすにはどうすれば?
コミュニケーションを減らす時、明日から全員コミュニケーションは無しで、と通知するだけでは解決しません。
(戦争反対を叫ぶ人がたくさん居ても、実際は戦争がなくならないのと同じ理屈です)
先ずは、コミュニケーショントラブルを起こさない仕組みづくり、すなわち必要最低限のコミュニケーションで互いに意思を通じ合う仕組みを作る必要があるのです。