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キーエンスについての考察⑦~付加価値の高い分野に経営資源を集中~

前回(以下)に引き続きキーエンスの考察です。 

rootsbox.hateblo.jp このシリーズでは、漏れ伝わった「話」だけでキーエンスの在り様を推測し、それを通して複数回に渡り「会社のありたい姿」を考えてみたいと思ってます。

 

本日扱いたい話はこれです。

「付加価値の高いものに経営資源を集中」

1982年に自動線材切断機事業を売却

この事業は年間売上の10%を占め、経常利益率も20%もありました。普通ならこの利益率に満足する所ですが、滝崎氏はこの利益率を低いと感じ、将来性も薄いと判断してこの事業を売却します。そして得た売却益を電子部品業界向けのセンサ事業につぎ込みます。 

【参照】

https://harubou-room.com/keyence03/

 

ウォーレン・バフェット箴言

世界的富豪のウォーレン・バフェットという投資家をご存知でしょうか。アメリカの持株会社バークシャー・ハサウェイ」の会長で、「投資の神様」「オマハの賢人」などという異名を持つ人です。投資家の間ではメジャーな人なのですが、経営者の方も知っておいて損は無い名前です。

投資家はもともと、自分の大切なお金を他人に預け、それ以上のお金を見返りを得る立場です。挑戦すればするだけ人生経験という学びの得られる企業家とは違い、リスクを取るという役割だけを担い報酬(配当や金利)を得る彼らは、お金を失えばそれまでなのです。(ここでの投資家は純粋に投資だけをする人間を想定してます)

そのため長年に渡って成功している投資家は、一般の人よりもビジネスを見る目が卓越しています。彼らの視点で考える事は、自分のビジネスを客観的に見る事を可能にし、今後の展開に対して気づきを与えてくれます。

中でもウォーレン・バフェットの言葉の数々は示唆に富み、賢人とはかくあるべき、というものばかりです。

ウォーレン・バフェットは元々繊維会社だったバークシャー・ハサウェイをほとんど保険会社に作りかえたり、ソロモンブラザーズを立て直したりと、経営者としての手腕も図抜けているため、単なる投資家という立場を超越しているわけですが・・・)

 

 

で、そんな彼の言葉にこんなものがあります。

「事業の多角化は、無知を隠す一つの手段です」

 

分散投資は無知を保護する手段だ。投資を理解している人にとって、分散投資は理にかなっていない」

「全ての卵を1つのバスケットに入れなさい。しかし、そのバスケットをよく見なさい」

要するに、自らが持つ資源(お金、時間)を集中させることを勧め、多角化したり分散する事を戒めているのです。※

※誤解しないで頂きたいのですが、他人の意見を聞くなとか、一つのものしか見るなという事ではありません。どこに集中すべきかを考えるにも広い視野を持つ事が必要ですし、一つの事を色々な角度から見る事も必要です。そのためには積極的に学ぶ事が必要です。実際、ウォーレン・バフェット自身は、周囲の人間がドン引きするレベルの読書家です。

 

キーエンス(創業者)の取った行動は、まさに「経営資源の集中」の成功例といえるのではないでしょうか。

 

摘果とビジネス

何かの本で、ジョン・D・ロックフェラーもライバル会社を買収、潰す独占行為を薔薇の剪定に例えて「余分な枝を落とし、余分な花を摘んで初めて大輪の花が咲く」としていた気がしますが、ビジネスの選択と集中は、「摘果」と似ています。(ロックフェラーの言葉はGoogle先生でもヒットしなかったので間違ってたらすみません・・・)

摘果とは果樹園芸で結実が多すぎたり、局部にかたよっていたりするとき、幼果の間引きを行うことです。栄養や水分があまりに分散しすぎると、どれも望み通りの品質に仕上がらないため、本当に見込みのある実だけを残してそれ以外を取ってしまうと、残った実に養分が行きわたり、素晴らしい成果があがるのです。

勿論、理屈で分かってはいても、実際ほとんどの会社では「売上が減ってしまうと怖いから、もう少しだけ」とか「あとちょっと頑張れば何か別の答えになるかも」と摘果を先延ばししてしまいがちです。まして、キーエンスが売り払った幼果は普通の企業であれば、全く問題の無い品質の幼果なのです。

それを摘んでしまえる胆力はやはり尋常ではないと思います。

 

棚ぼたを期待しない

選択と集中は全てが上手くいくわけではありません。

アップルIを逃したヒューレット・パッカード社や、電話の特許を逃したウエスタンユニオン社のように、選別の結果、目の前にぶら下がった信じられないチャンスを逃す事もあります

切り捨てた分野や人材が、実は物凄い可能性を秘めているかもしれません。

しかし、そういった「もしかしたら」を捨て去り、自分達で理解できる範囲で最大の成果をあげる姿勢こそが、ちょっとやそっとでは揺るがないキーエンスの強さなのではないでしょうか。

 

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