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【2152】幼児活動研究会

結論

体質悪くなく、財務状況も悪くない。しかし財務方針に懸念アリ。

 

目次

 

事業概要

先ずは幼児活動研究会の事業についてです。

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社名から想像がつく通り、幼児の体育指導と幼稚園・保育園等のコンサルティングが主力のようです。

政府が一億総活躍社会を提唱し、女性の社会進出を推進した際、保育園が足りないことが問題になりました。「保育園落ちた。日本死ね!!!」という匿名ツイートも話題になりましたね。。

その結果、ビジネスとしての保育園設立が流行り、副業で保育園経営、なんて話もチラホラ聞きましたが、そのうちにその杜撰な経営体制が問題視されました。

子育て世代の私も保育園での子供の酷い扱いのニュースを聞くにつけ、保育園に本当に預けてよいのかと不安になり、結局うちの子は預けませんでした。

一人の親として、同社のビジネスがそういった子育て世代の不安を払拭してくれるものと期待したいです。

 

セグメント別売上

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セグメント別に見てみると、95.4%が幼児体育指導関連事業で4.6%がコンサルティング関連事業です。ほぼ幼児体育指導関連事業ですから、この同社の体質を把握するには、この幼児体育指導関連事業にフォーカスして考察すべきと思います。

 

ただ一点だけどうでもよいかもですが、面白かったのがコンサルティング関連事業の人数。

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4名て・・・

4人で3億売上げるって凄いですね。一人年8,000万円くらい売り上げている計算ですけど、一つや二つの保育園を見ただけじゃこんな収益は上がらないと思います。もともと保育園はそんなに収益性の高いビジネスのイメージないですし。。一体いくつの保育園をコンサルしたらこんな売上になるのか・・・。

会社の本業とは言えないので深く調べる積りはないですが・・・凄い。。

 

 

業績推移

経常利益率の推移は13.9%⇒15.7%⇒17.0%⇒18.8%⇒17.0%

 

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全業種から見れば経常利益率は悪くない水準ではありますが、コンサルビジネスにしては低めではないかと思います。

問題はそれがビジネスの性質によるものなのか、会社の体質によるものなのかです。

 

目標とする経営指標を見てみます。

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良い経営指標を選択していると思います。方針に効率の視点を入れて、なおかつそれを達成できています。経営陣の質には期待できると思います。

15%という目標を設定しているのは、ビジネスの特性として利益率が上げにくいネックがあるのかもしれません。

 

 

キャッシュフロー

基本的にコンサル業であれば、投資は無いでしょうから、フリーキャッシュフローは黒字になるはずです。

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ただ4年前に一度大幅に赤字になっているため、理由を確認します。

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投資有価証券の購入という、なんちゃって投資です。
とはいえ、無茶なM&Aとかだと経営の姿勢に疑問が出てますので、内容を確認してみますと・・・

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満期保有目的債券という事なので、おそらく余剰資金を少しでも効率的に運用するために、長期の社債国債を購入したものと思われます。

それほど問題は無い、手堅い投資だと思います。

また、直近で財務キャッシュフローが大幅にマイナスなので内容を見てみると、自己株式の取得をしてます。

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「自己株式の取得」は市場から自社株を買い上げて消却する(無くす)事で、市場に出回っている株式の価値を上げる事で、株主への還元方法の一つです。

株価が下がっている時の方が効果的なので、株価が高値圏にあったここ一年が、時期として良いとは言いがたいですが、少なくとも株主還元を軽視してはいないことは読み取れます。

 

B/S(貸借対照表

資産状況の確認です。

現預金、投資有価証券が占める割合が82.3%ですから、資産が減損して純資産が棄損するリスクはかなり低いと思います。

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若干気になるのは投資不動産を持っている点ですね。

0.8億円という全体から見れば僅少な金額ではありますが、こういうものを少しだけ買ったり、数年前にドカンと14億円もの満期保有債券を買ったりと、何というか慣れていない資金運用を無理にしている感じがします。

経営陣が資金の使い道に困っているのか、そもそもこういう事が好きなのか・・・いずれにしてもあまり好ましい事ではありません。

上場企業に投資している投資家はそのメイン事業に投資しているのであって、拙い資産運用をしてもらうためにお金を拠出しているのではありません。慣れない運用をされるくらいなら、いっそ開き直って預金として留保し続けるか、自社株買いや配当で還元する方がよほど投資家に対して誠実です。

 

次に負債です。

現時点で有利子負債はゼロの無借金経営です。

ただ、キャッシュフローのところで気づいていたのですが、昨年まであった社債を返済してます。

これについても良く分からない。

特に資金が必要なようにも見えないのに、「とりあえず社債で3億円を調達してみた」という「やってみた系Youtuber」みたいな雰囲気です。

資金の運用にしても調達にしても姿勢に一貫性がない気がします。

やってみたいからやったという雰囲気。

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役員の状況

財務的な行動に一貫性が無い理由については、完全に推測の域を出ませんが、役員にあるのではないかと思います。

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6名いる取締役のうち、5名は同社の生え抜きか、教育関係のご出身の方です。

そして唯一最後の大野氏だけが異質な経歴ではありますが、唯一財務的な経歴を持っていそうです。

よって、ここから以下の可能性が考えられます。(あくまで推測です)

①取締役会が財務の人間を統制できず現場が好き勝手やっている。

②取締役会が勉強のためにあえて色々挑戦している。

③唯一財務の知識がある大野氏に財務を全面委託した結果、余計な事をやっている。


個人的にはこの大野氏がすごく胡散臭いのですが・・・

一体何社の取締役やっているんですか・・・

こんなに平行してやってて本当に取締役としての機能を果たせるのでしょうか?

正直こういった、色々やりすぎて結局何をしているのか分からない方を取締役に任命していると、会社の体質として凄く不安になります。

任命の理由もなんかフワフワしてますし。。

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思い付きでやっている感のある会社の財務活動と、この方の経歴に似通っている部分がある気がしてなりません。全然関係なかったら申し訳ないですが・・・

 

まとめ

教育という分野はビジネスにするのが非常に難しい分野です。

特に幼児に対する教育は、古来から様々な迷信や意見が飛び交い、明確な答えが無い上に時代と共に変化しています。「愛ある体罰」のように、かつては正しいと思われていた事も、今になれば訴訟を受けたりする事もあります。

よって事業としてそれが的を射ているかどうか、先行きが明るいかどうかなどは極めて主観的過ぎるので今回の分析では省きました。幼児活動研究会の思想、教育方針が正しいかどうかはここでは論じません。

ただ、ビジネスとしてみるならば、難しい業界でかなり健闘しているのではないかと思います。正しい効率的目標を立て、それを実現している姿勢は立派なものです。財務状況も健全でほぼリスクは無いと思います。

ただ、組織の財務を担っている人材の質に疑問があります。投資不動産の購入に、突然の満期保有債券購入、社債での資金調達。方針に一貫性がない気がします。

単に一貫性が無いだけならば良いのですが、金庫番が勝手な事ができるほど財務の分野が弱い、財務管理が甘いのであれば問題です。

財務管理が甘い会社だと、例えば投資不動産や債券を購入する裏で、ディーラーから意思決定権者に私的なディベートが支払われたり、もっと直接的に着服などができてしまう可能性もあります。

オリンパスのように、本業としての評価は高いのに、財務・経理方面での失敗で本業が傾く会社もあります。ちなみに私のクラウドファンディング先も、私が出資した分野とは無関係な部分で社員に金を使い込まれて倒産しました。。

私は財務というのはあくまで本業を助けるための脇役だと思っています。決して主役になってはならないビジネスを補佐する参謀役。しかしだからこそ、その行動は時として主役以上にリスク要因になります。

その点、ちょっと同社の一貫性の無い財務行動は怖い気がしました。

 

本記事は有価証券報告書を元にした筆者の私的見解であり、特定の意思決定を推奨するものではありません。また、内容に対して適切と思われる指摘があれば、迅速に加筆修正致します。

 

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