企業分析アナトールの株式投資

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【ニュースに思う事】全日空が電力販売に参入へ マイル付く「ANAでんき」

本日は雑記です。

以下のようなニュースがありました。

全日本空輸が電力の代理販売に参入する。電力の小売りを手がけるKDDIと提携して26日、沖縄や一部離島をのぞく全国で販売を始める。全日空を傘下に持つANAホールディングス(HD)は航空に頼らないビジネスモデルづくりを進めており、その戦略の一環となる。

 サービスは「ANAでんき」と名付け、全日空のホームページで申し込みを受け付ける。毎月200~300マイルがたまる。これまでもANAのクレジットカードを使えばマイルがたまる事業者があったが、還元率は200円で1マイルにとどまる。マイルが多くたまるのを強みに、既存業者からの乗り換えを狙う。

 コロナ禍による旅客激減で、ANAHDの2021年3月期の純損益は4046億円という記録的な赤字となった。いま手がけている物販や旅行の事業も航空需要と連動しやすいため、再び航空旅客が激減する事態に備えた体制づくりが課題になっている。

私はANAの競合他社であるJALの体質を非常に良いと考えて投資しており、ANAをあまり肯定的に見てません。以下のような比較記事を書いているくらいです。

そんな印象なので、読者様におかれましては、当ブログはANAが何かしても基本的に否定的なバイアスがかかっている事はご留意ください。

 

ANAが電力販売に参入するという話、個人的には悪手ではないかな、と。

そもそも論として電力小売というビジネスはホープで書いた通りコモディティビジネスの究極系といえるほど差別化が難しいものだと思ってます。

ANAのマイルが溜まるというのが一つの差別化に繋がるというのはあるのかもしれませんが、それにしたってマイルという形の実質値下げ競争に傘下している事に変わりありません。差別化しようのない業界に新規参入して明るい未来があるのか、かなり疑問です。

 

ただ、一つこの記事で勉強になったのがKDDIが電力小売に進出しているという事。

KDDIという会社はJALを奇跡の復活に導いた現代の経営の神様、稲盛氏が手掛けた会社ですから、JALと同様で堅実な経営方針を持っているイメージでした。

その会社が電力小売りとか謎でしたので、調べてみると以下がありました。

当社は、ICTの利活用によって"より効率的"で"より利便性"の高いエネルギーサービスを提供し、お客さまの新たなライフスタイル創造に貢献することを目的に、約4,400万 (注1) のauユーザを中心に全国 (注2) で「auでんき」を提供していきます。
なお、エネルギーサービスの提供にあたっては、今後一般電気事業者や様々な事業者と連携の実現に向けて準備を進めていきます。

auでんき」のサービス提供にあたっては、全国約2,500店舗 (注1) のauショップやお客さまセンター等を活用したカスタマーサポート体制を構築していきます。
また、電気料金と通信料金とのセット割引スマートフォンを活用した便利でおトクなサービスの提供も予定しています。

サービスの詳細ならびに提供開始に向けた具体的なスケジュールについては、決定次第ご案内いたします。

KDDIは、今後も通信事業 (モバイル通信サービス、固定通信サービス) を基盤として、auスマートパスやビデオパス等のコンテンツ事業、auかんたん決済やau WALLET等の決済事業auショップを活用した物販事業など、ネットとリアルを融合した"あたらしい価値"をお客さまに提供していきます。

あーなるほど。そういう事ですね。
元々KDDIの事業は電気料金と同じような公共性を持つ通信事業ですし、カスタマーサポートのための店舗も既にあるので、電気小売事業を始めても大した追加投資の必要なく、相乗効果が見込める筈。コンビニが品数を一つ増やすようなものですからね。

さらには、決済事業を手掛けているKDDIからすれば電気料金の決済など使途を増やす事はさらなる付加価値に繋がる。確かにこれなら参入するメリットは大きい気がします。

 

しかし、ホープは電力卸値がエラい額になってひどい目にあっていたのに、KDDIは大丈夫なのかな、と業績を見てみます。

【KDDI】[9433]株価/株式 日経会社情報DIGITAL | 日経電子版

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電力卸値の暴騰は2020年末から2021年年始ですから、2021年3月期決算に影響する筈ですが、面白いように何事もなかったかのような業績です。

はて、なんでかな、と調べてみると。

でんきサービスは電力市場の価格高騰による電気料金の影響はございませんので、ご安心ください | お知らせ | KDDI株式会社

でんきサービスをご利用いただきありがとうございます。
電力市場高騰による電気料金影響についてのご案内となります。

でんきサービスの料金は、現在問題になっている、「市場連動型」ではありません。
今回の電力市場 (JEPX: 日本卸電力取引所) の高騰による電気料金の影響はございませんのでご安心ください。

<詳細>
でんきサービスは市場連動型ではございませんので電力市場の高騰による電気料金への影響はございません。
でんきサービスは他の大手電力会社と同様に燃料費調整制度 (該当項目へジャンプします注1) を採用しておりますので、同制度によりこれまで同様に電気料金の単価は増減することはありますが、今回の電力市場高騰のような大きな影響はございません。
毎月の電気料金 (燃料費調整額等の詳細含む) や月末予測等は該当項目へジャンプしますでんきアプリでご確認いただけますのでぜひご活用ください。
引き続きご安心してでんきサービスをご利用いただきますようお願い申し上げます。

お~。。

電力小売でも、打撃を受けたのは市場連動型と呼ばれるものだけで、KDDIは大手電力会社と同じ燃料費調整制度を採用していたためそこまで影響はなかったと。。

さすがの安定感。。経営の神様の薫陶の賜物なのかな、と。

 

ANAの話に戻ります。

上記のようなKDDIと提携したのは良い選択のように思いますが、しかし、そうなると一体ANAはこのビジネスについて何をするのか。

提携とか言っても別にANAはカスタマーサポートの店舗を持っているわけでもなければ、こうしたビジネスへの知見があるわけでもないと思いますし、KDDIに丸乗っかりするしかないんじゃないかな、と。

いよいよもって参入する意味が良く分からないな、と。

ANA側の発表を一応見てみると役割が載ってました。

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ANAでんき がスタート!月々の電気代でマイルが貯まる|プレスリリース|ANAグループ企業情報

販売委託に基づくプロモーション及び特典提供。。

実はJALでもANAでも以前から電力量のプランの提供を行っていたようです。

JAL:九電みらいエナジーとのJALマイルプラン

ANA北陸電力とのANAマイレージ契約

しかし、今回KDDIからの販売委託、という事はもう一歩踏み込んだKDDIの下請けのような販売活動も開始されるのかな、と。そんなリソースあるのかな・・・?

マイルプランの提供だけでよい気がするんですけどね・・・。あまり良いアイディアとは思えないので、少なくともJALにはあまり参入してほしくないな、と。